2016年01月31日

Vol.161 「不眠症と口の中の症状の関係」

 平成28年も1ヶ月が過ぎました。受付の森さんが退職し、2月からは新しい体制になります。

 昨日、「一歩会」という勉強会で長谷理恵先生、土谷昌広先生が発表されました。長谷先生は総入れ歯の非常に難しい症例に対して、緻密な治療を真摯にされていました。特に下あごが上あごより極端に出ている状態で、大変に治療が難しい症例なのです。議論する部分が多々あり、参加者にとってもとてもためになる発表でした。
 土屋先生は東北福祉大学感性福祉研究所 特任准教授をされているのですが、不眠症と口の中の訴えについて、アンケート調査を行い、その中から大変興味深い結果を導き出しました。特に東日本大震災の影響から今でも不眠症を患っている方もいらっしゃるわけですから、そのような方からのアンケート調査は非常に大切だと思います。
 口の中の症状ですので、「歯が痛い」などの原因から不眠症になる方もいるだろうと思っていたのですが、意外にも相関性は低かったそうです。相関性が高かったのは「歯ぐきの腫れ・出血」と「噛みにくい」ことだったそうです。つまり、歯周病が進んでいる人、噛み合わせに異常がある人は不眠症になる確率が高いということです。ここから先は私の想像になりますが、噛み合わせが悪い人の場合は夜寝ているときにストレス発散としておこなう歯ぎしりや噛みしめなどの行為が上手くできないため、睡眠深度が深くならず不眠症になるのかなと思いました。しかし、歯周病と不眠症に密接な関係があることは初耳でしたし、その考察は難しいように思います。

 不眠症は慢性疼痛やうつとの関連が深いですが、その原因には精神的なストレスが大きなウエイトを占めています。生理学の世界ではそのストレスを縮小してくれるのが「歯ぎしり」と捉えています。しかし歯科の世界では「歯が削れてしまう」ために歯ぎしりをやめさせようと言う考え方があります。どちらも正しい考え方だと思いますが、ブログでも何度か紹介しているシークエンシャル咬合というコンセプトでは、より理想的な歯ぎしりが出来る環境を整えようと考えています。この環境が整えば、歯周病に対しても良い結果を生み出しますので、歯周病と噛み合わせの治療が、良い睡眠につながることになるとも言えると思います。土谷先生には是非この研究を続けていただき、私達一般歯科医はその実践を行うことで、患者さんの生活のクオリティーをあげる一助が出来ればと思います。
posted by 副院長 at 17:54| Comment(0) | TrackBack(0) | '16 ニュースレター
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/173162422

この記事へのトラックバック