2018年06月12日

Vol.185 「患者さんの声に耳を傾ける」

 今年はスポーツ界の不祥事がずいぶんと取り上げられた上半期でしたね…。やはりスポーツはする人も見る人も元気になれる存在であってほしいと思います。

 昨年の12月、一人の顎関節症の患者さんが来院されました。以前通っていた何件かの医院でも治療をしてもらっていたそうですが、患者さんの満足するところへは届いていなかったそうです。初診日にお会いする前から自らの病院歴を綴ったFAXをいただくなど、その悩みの深さを目の当たりにしました。

 一見歯並びもきれいでさほど問題がないように見えてしまいますが、大臼歯部しか噛んでおらず、その大臼歯は(治療目的で)溝が埋められており、オリジナルの噛みあわせから離れていっているように感じました。通常通りレントゲンとアキシオグラフという噛みあわせを診る機械で診査をし、その患者さんに最適な噛みあわせを確定し、その位置で噛めるように作製したマウスピースをセットしました。しかし、安定しない下あごはそこで収まらず、アチラコチラに動けてしまうため、一点に定まるような2個目のマウスピースをセットしました。それでも下あごが後ろに入ってしまう現象を止めることができず、私も治療方針に悩んでしまう時期がありました。

 前医からのネガティブな情報提供があったため、私の提案する治療方針になかなか賛同してくれない時期がありました。しかし、患者さんも必死です。「こうしたらいいんじゃないか?」といろいろなアイディアを私にくれました。私もそのアィディアに対してまっさらな気持ちで接したおかげで、新たな治療法を見つけることもできました。

 現在のその患者さんの状態は、この方向の先にゴールがあると確信してくれていると思います。しかし、顎関節症を悩んでいる患者さん全てに対して、同じ方向を向くことができるように治療ができているわけではありません。私自身のいろいろな意味での成長が必要だとは思いますが、本当の意味で「患者さん声に耳を傾ける」ことの大切さを、改めて実感いたしました。歯科医学は科学の一分野ですから、理論的背景を成書から学ぶ姿勢は今後も続けていきますが、目の前の患者さんから新しい治療法を見つけるヒントを貰えることに気づけたこと、心から感謝いたします(^^)
posted by 副院長 at 15:23| Comment(0) | TrackBack(0) | '18ニュースレター
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