2005年07月27日

Vol.42 「怪しい歯をいつ抜くか?」

 夏本番、今年の夏は今ひとつ夏らしい日が少ない気がしますが、皆さんは海に行きましたでしょうか?

 さて、6月は顎咬合学会、臨床歯周病学会に参加、顎咬合学会ではポスター発表もしてきました。歯科にも数多くの学会が存在していますが、この2つは会員数がうなぎのぼりの元気のある学会です。どちらの学会も“インプラント”をテーマにした発表がとても多く見られます。特に歯周病学会は本来歯を残す学問の上に成り立つ学会ですが、あまり良くない歯は早く抜いてしまい、インプラントを埋めたほうが予後がいいといった報告が数多くなされています。 

 きっと皆さんはこの記事を読んで疑問に思うと思いますが、歯科ではこのような考え方を「戦略的抜歯」と呼びます。残すことが困難な歯をいつまでも口の中に残しておくと、その歯の影響を受けて、両隣の歯を支える骨が徐々になくなっていき、終いには両隣の歯もダメになってしまうことを防止するため、あえて早めに抜歯をしてしまうというコンセプトです。

 この考え方のおかげでとても審美的に治せている症例も数多くあり、一理あることは事実です。しかし現実には勇気のいる場合が多く、「抜いちゃいましょう」というよりは、「いよいよというときが来るまでは、何とか持たせるようにしましょうか?」と安全策をとることが少なくありません。もちろん、確実に残せる歯はしっかりと治療をし、抜かないと大変なことになる歯は、きちんと説明をして抜歯を選択します。

 学会の中でも「良くこんな歯を10年も持たせたな」という発表もありますから、1本の歯をどのように診断するかは大変重要であります。「歯は臓器である」という本もあるくらいですから、おいそれと歯を抜くようなことはしていないつもりです。ただ、前回のニュースレターに登場した親知らずや、どうしても残すことのできない歯、残しておくことで、明らかに問題が生じてしまう歯に関して、的確に診断することは我々の役目だと考えています。どうしても抜かなくてはならないときには、マスクの中でつぶやいているんです。「お疲れ様」と…

posted by 副院長 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | '05 ニュースレター
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