2015年02月19日

Vol.151「抜歯をしない矯正治療の実践」

 プロ野球もキャンプイン、楽天イーグルスは大久保新監督のもと、新たなチームとして活躍することを願っています。

 前回のニュースレターでは、顎を切る手術には賛成できないといった内容のブログを書きましたが、今回は「抜歯をしない矯正治療」について触れてみたいと思います。矯正界では、Angleという先生が抜歯を伴う矯正をせず、全体を拡大するような治療を推進してきました。一方、この手法だと口元が盛り上がってしまい、審美的によくないこともあるため、Tweed先生は小臼歯を抜歯して歯を並べる治療を普及させました。特に叢生といって、歯並びがガチャガチャしている方の場合、歯を抜くことでそのスペースが確保できるため、後戻りが少ないこともその長所に挙げられます。

 しかし、本当に抜歯を伴う矯正治療が理想なのでしょうか?小臼歯の抜歯の問題点として以下の点が指摘されています。
@前歯が過剰に後ろに下がってしまう
A下あご全体が後ろに下がってしまう
B噛み合せの高さが低くなってしまう
C舌のスペースが狭くなってしまう
D小臼歯そのものの役割の欠如してしまう

 Aの下あごが後ろに下がってしまう問題ですが、以前から何度か指摘しているように、顎関節症のほとんどは、下あごが後ろに下がってしまう病気です。小臼歯を抜歯することは顎関節症を引き起こす可能性が高くなるということです。

 Dの小臼歯そのものの役割ですが、噛み合わせの位置を保持する「支持」の役割と、下あごの動きを理想的に誘導するという2つの役割を担っています。

 事実、HPを見て来院された患者さんの中に、とても綺麗に仕上がっている矯正治療であるにも関わらず、顎関節症になっている方を見ることがしばしばあります。
【Sさんの術前】
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(歯は綺麗に並んでいますが、小臼歯が4本抜歯されています。右の耳が聞こえにくいとおっしゃっていました)

【Sさんの術後】
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(噛み合わせの位置を変えて、顎関節症が治ったあとの写真です。正面の写真を見ると、下の前歯の見える長さが長くなったことでかみ合わせが変わったことがわかると思います。治療前はあごがカクカクしていましたが、術後はあごの動きもスムーズになり、耳もすっかりよくなりました。)

 一方、抜歯をしない矯正治療の欠点として上下の唇の突出感(口元が盛り上がる)が挙げられます。しかし、シークエンシャル咬合のコンセプトではこの問題を実に理論的に解決します。それはかみ合わせを垂直的に挙げることで歯の傾斜角を維持するといういことです。「矯正治療」のページの症例Eの患者さんですが、歯を1本も抜いていませんが、口元は治療前よりも綺麗になり、とても素敵な笑顔になりました。

Dibbets先生によると、矯正治療終了後に「あごがカクカクなる」といった雑音の発現率は、小臼歯を抜歯して治療をした患者さんの集団では、一般の矯正治療に比べ2倍であったとのことです。

 矯正治療は必ずと言ってよいほど噛み合せの位置が変化します。単に見た目を良くすることだけを考えて治療をした場合、思わぬ結果を招く危険性があるわけです。治療前にしっかりとした治療のゴールを設定し、治療計画を練ると、抜歯が必要な症例がないことを認識し、平成17年からは小臼歯を抜かない治療を進めてきました。

 われわれ歯科医師は「歯を残す」治療を日々行っています。親知らず以外は歯を健全なまま抜歯をしない治療が当たり前になる日を信じています。
posted by 副院長 at 19:03| Comment(0) | TrackBack(0) | '14ニュースレター

2015年02月05日

Vol.150「噛み合せの治療に顎の手術は不要」

 2015年最初のニュースレターです。年の初めから物騒な時間が連発していますが、平和な世界になってほしいと切に思います。

 さて、皆さんの今年の目標は何でしょうか?僕自身、毎年目標を掲げるのですが、仕事面では「正しいかみ合わせ治療の普及」を選びました。今も勉強中なので、現在進行形ではあるのですが、多くの結果を残せるようになってきた現在は、若い歯科医師を中心に、自分達が学んだコンセプトを伝えていきたいということです。

 ブログでも何度か紹介しましたが、今現在実践しているシークエンシャル咬合、オーストリアン・ナソロジーというコンセプトに出会ったのは、平成17年でした。このコンセプトの元に診療をするようになって丸10年が経過したわけです。それまでの自分は、一般の先生方と同じ、いわゆる「勘」でかみ合わせを探っていました。もちろん、その中でも結果は出していましたが、今現在診断・治療ができる範囲から見たら、非常に限られたケースしか治療ができなかったように思います。

 抜歯をしない矯正治療を行うようになって約10年が経過しますが、今年はそれ以上に「顎を切る手術をしない」ことの重要性を強調したいと考えています。昨日初めて来院された患者さんは、セカンド・オピニオンを求めて、HPを見ていらっしゃった方でした。最初に診てもらった歯科医院での資料を持ってきてくださいましたが、CTやレントゲンの分析もしっかりとされており、治療計画も記載されていました。しかし、そこには手術で顎を切ってかみ合わせを再構築する方針だったのです。下の顎は正中をまたぎ、左右2箇所の関節があるという、人間の体の中で唯一の骨です。その骨を3分割にして、一気にかみ合わせを治す手法ですが、左右の顎関節は切断された瞬間、各々の骨に付着している筋肉に引っ張られ、予想もしない(見た目ではわからない程度だと思いますが)方向へ位置付けられます。しかし、手術推進派の先生方は、古い文献を引用して、「切断すると骨は最適な位置に落ち着く」と信じています。

 顎のトラブルは多く場合、関節円板という組織の位置異常、あるいは変形を伴っています。
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側頭骨と下顎骨の位置関係

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下あごがスムーズに動くための関節円板
(出典はともに「チェア−サイドで行う顎機能診査のための基本機能解剖」)

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正常者の関節円板の位置

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顎がカクカクなる方の関節円板の位置


ですから顎の切断によって瞬時にその位置や形態が変わるはずもなく、むしろその異常な状態をそのまま引き継ぐことになります。見える部分の噛み合わせだけをきちんと治すと、状態の悪い顎の情報をより固めてしまう結果となります。このことは顎の手術を受けた患者さんを何人か診てきたので、痛感しています。学会を通じて少しずつその主張をしてきていますが、今年は師匠の吉見先生やその仲間と共に、幅広くアピールしていきたいと考えています。
posted by 副院長 at 08:38| Comment(0) | TrackBack(0) | '14ニュースレター

2014年12月28日

Vol.149「富澤さん送別会」

 2014年がもうすぐ終わります。皆さんにとって良い1年でしたでしょうか?

 さて、約7年受付を担当していた富澤(旧姓:菅原)が昨日退職しました。2月にはママになるのです。膨大な仕事量を淡々とこなし、本当に良く働いてくれました。受付ですが、その知識量は衛生士にも引けをとらないほどの実力者です。多くの患者さんから慕われていましたので、退職は残念ですが、後任の森が頑張ってくれると思います。本当にお疲れ様でした!

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posted by 副院長 at 08:44| Comment(0) | TrackBack(0) | '14ニュースレター

2014年12月09日

Vol.148「リーダー像について」

 平成26年も残すところ20日あまりです。皆さんにとってよい1年でしたでしょうか?

 さて、今年の1年の締めくくりは「リーダー」について綴ってみたいと思います。今年は色々な意味でリーダー像を考えさせられました。一口にリーダーといっても、その集団がどのくらいの規模なのかによって、求められる像も違うかもしれませんが、振り返ると素晴らしいリーダーに出会ってきたなと思います。

 最初に尊敬したリーダーは大学時代のハンドボール部のキャプテン・佐々木亮考さんです。亮考さんは恵まれた身長でしかもサウスポーであり、まさに理想のプレイヤーでしたが、ハンドボールは大学に入ってから始めたために、プレイヤーとして名を馳せたのは選手生活後半になってからでした。そんな亮考さんがプレイヤーとしても大きく進化したのは、やはりキャプテンになってからでした。徹底したのは基本練習の反復と“絶対に勝てる”という意識付け、この2点でした。おかげでその年は1年間の総決算である東日本医科大学総合大会において、始めての準優勝、亮考さん自身もベストセブンを獲得する大活躍で幕を閉じました。亮考さんから学んだリーダー像は「絶対にできる」と信じて、それを一貫して部員に言い続けたことでした。

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 次はブログでも何度か紹介した江澤庸博先生です。江澤先生は歯周病学の世界で知らない人はいないほどに著名な先生です。曲がったことが嫌いで常に直球勝負、僕も江澤先生を見るたびに襟を正したくなります。江澤先生は日本臨床歯周病学会東北支部の初代支部長であり、現在学会の副理事長を務めています。東北支部では多くの歯周病専門医、認定医を指導し育て上げました。思っていても言いにくいことでも、その人のためになるなら、その集団のためになるならと、心を鬼にしてでもアドバイスしてくれる方です。2011年の東日本大震災では宮城県の検視活動のトップとして、まさに八面六臂の大活躍でした。還暦を向かえ、ますます円熟味を増す江澤先生ですが、後輩達からの信頼感は絶大であります。僕自身にリーダーとして最も良い影響を与えていただいた大先輩です。江澤先生から学んだリーダー像は先を見据える目を持ちながらも、変えてはいけないことをきちんと守る、変えなければならないところは引かずに主張する、そしてそれが自分のためではなく、その集団ひいては国民のためにという大儀を貫くところです。まさに男の中の男だと思います。

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次は、この方も何度かブログで紹介しましたが、月一会という勉強会の会長だった、菅崎直身先生です。歯科の世界では勉強会と称して、お互いの治療を評価しあうことがあり、宮城県でもっとも活動している勉強会です。僕自身、同世代に見習うべき先生が多かったこともあり、さらなるステップアップを考えていた時期にぴったりはまる月一会に入会できたことは、本当にラッキーでした。菅崎先生は長年日本顎咬合学会の東北支部長を務められ、勉強会から学会へのパイプ役をされ、多くの後輩達を舞台へ送り出しました。また自身のオフィスを提供し、自分の知識と技術を後輩に伝え続けています。僕自身が人間関係で大失態をしでかしたときも、最後まで寄り添って解決してくださりました。そのときの細かい配慮を思い出すと今でも涙が出てしまいますが、菅崎先生も立派なリーダーです。菅崎先生から学んだリーダー像は欠点を指摘せず、長所を伸ばす指導法です。そして十分な知識があるにもかかわらず、後輩を立てて、頼ってくれるのです。男の優しさをもっとも感じられるリーダーのひとりです。

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次に紹介するのは大学の同窓会宮城県支部の会長・村上正博先生です。歴代会長は残念ながら今年の9月急逝した佐々木統先生、そのあとを継いだ羽田野先生のお二人です。圭歯会(同窓会の名前です)が誇る素晴らしいリーダー2人の後を受け、現在も350名あまりの会員を牽引してくださっています。笑顔が素敵で上からも下からも慕われ、永遠の若大将という言葉がぴったりです。村上先生が会長になってから、お付き合いが深くなったのですが、助さん・格さん役である長谷先生・田熊先生の指導のおかげで、私自身大変良い勉強をさせていただいております。自分であればその場の雰囲気で流されてしまうところも、村上先生の物言う姿勢については、いつもはっとさせられます。義理人情に厚く昭和の香りが漂いますが、同時にアンテナも広く、その若々しさにはいつも舌を巻いています。還暦を過ぎていますが、あの笑顔は心の広さと深さ、愛情が映し出されていると感じます。村上先生から学んだリーダー像は、出来ない人や出来ないタイミングに対して、後輩にでも頼り続けてくれることです。同窓会の仕事において、僕はだいぶ迷惑をかけているのですが、使い続けてくれているのです。まだまだではありますが、おかげでずいぶん成長できました。

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最後は水滸会という勉強会でお世話になっている吉見先生です。吉見先生は僕がもっとも尊敬する歯科医師です。吉見先生のリードで多くの患者さんを救えるようになりましたし、宮城県内の後輩達にもそれなりの指導が出来るようになりました。吉見先生の優しさに甘え、ずいぶんと吉見先生の貴重な時間を割いてしまったと思いますが、いつも丁寧に指導してくださっています。一番見習い点は「自分で考えること」です。わからないとすぐに人に聞いたり本を読んだりするのが自分の常なのですが、吉見先生は自分で考えるのです。もちろんポテンシャルが高くないと出来ないことではありますが、自分自身「自分で考えること」を来年の一番の課題にしたいと思っています。吉見先生から学んだリーダー像は、自らが態度で示すこと、また後輩達にチャンスを作ること、そしてその面倒を最後まで見ることです。

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ここには書ききれなかった素晴らしいリーダーがまだまだいるのですが、自分自身はご紹介した数々のリーダーのよさを実行するに至っておりません。2015年は一部員としてリーダーを支えながら、その集団の中で切磋琢磨していきたいと思います。

2015年が皆様にとって良い年となりますようお祈りいたします。
posted by 副院長 at 08:31| Comment(0) | TrackBack(0) | '14ニュースレター

2014年10月08日

Vol,147「ミラノ」

10月5日はミラノに行ってきました。
ミラノ駅に降りると、いわゆる改札口がなく、拍子抜けした感じでしたが、駅の建物にもびっくりでした。DSCN3460.JPG

外から駅を眺めるとこんな感じです。DSCN3466.JPG

そこから地下鉄でドゥオーモ駅へ
前日、懇親会でヨーロッパの先生方に観光するにはどこが良いか聞いたところ、異口同音「大聖堂(ドィオーモ」を勧められました。
地下鉄の駅を降りて地上に出たら、この景色です!DSCN3477.JPG
建築に500年かかったそうです!500年後に通用する設計というのも素晴らしいことですね〜

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中へ入ると、重厚なパイプオルガンの音が響き、それだけでジーンときました。

食事の後、この大聖堂のてっぺんに歩いて上っていきました。ビル10階分くらいの高さでしたね。DSCN3527.JPG

さすがミラノは都会でした。街行く人はみんなおしゃれでしたね〜
ファッションについては僕のイメージとちょっと違っていました。
ボディバッグなど下げている男性は皆無だったこと、基本シャツイン!少なくとも長袖のシャツを外に出している男性はいませんでした。それらは日本独特のファッションなのでしょうかね…

それと、車についではいわゆる駐車場が少なく、特にトリノでは基本路上駐車でした。なので、縦列駐車が上手くないと、かなりつらいと思います。DSCN3167.JPG

学会のついでの観光でしたので、多くを見ることは出来ませんでしたが、多くの刺激を受けて帰って来ました。日本の歯科事情、特にかみ合わせについてはヨーロッパに比較しても先を行っているように感じました。もちろん学ぶべき点も多々ありました。単に良い刺激に終わらせず、日々の臨床に全力を注ぎたいと強く思いました。







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2014年10月04日

Vol.146「AIG(イタリアナソロジー学会)に参加して」

10月1,2日の2日間、イタリアのトリノでAIGという学会に参加しました。
ナソロジーとは主に有歯顎の咬合の再構成を通して、顎口腔の機能を総じて治療する事を目的とした学問の事であり、単に虫歯を治すとか1本の歯に焦点を当てるのではなく、口の中を総合的に論じる学問であり、今回のAIGはイタリアで行われる国際学会です。

演者は20名を超えるくらいの人数で、一人30分の持ち時間、イタリア人が6割、英語発表者が4割といたところでしょうか?初日は9時から夜の6時までみっちり!

これは始まる前のステージの雰囲気です。
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日本からは柏崎先生とポスター発表を行いました。IMG_0220[1].JPG

夜は会場を変えて8時半からガラパーティー
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終わったのがなんと12時過ぎ!
みんなタフです…

2日目は日本代表で吉見先生の講演、ヨーロッパの先生方よりも診断、資料、治療すべてのレベルが上でした。
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エントリーは少なかったのですが、ポスターアワードをいただきました
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慣れない英語でさえ四苦八苦ですが、イタリア語はまくしたてるようにぐいぐいきます。イタリア語→英語の同時通訳もイタリア訛りの巻き舌でした(笑)

なんとか2日間の学会は終わりました。


posted by 副院長 at 23:51| Comment(2) | TrackBack(0) | '14ニュースレター

2014年10月03日

Vol.145「午後のトリノ」

昼食後は国立映画博物館を有し、世界で一番高い博物館と言われているモーレ・アントネリアーナに行ってきました。

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映画博物館だけあって、映画を撮影する機材の構造、歴史などを詳細に表わしていました。
中には昔の日本の映画のポスターもありました。

また、ひときわ高い建物ですので、街を一望できます。

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他にも名前がわからないながらも素敵な建物や街並みにバシャ×2とシャッター押しまくりました(^^)





posted by 副院長 at 00:56| Comment(3) | TrackBack(0) | '14ニュースレター

2014年10月02日

Vol.144 「トリノの街を散歩」

イタリア4番目の人口をかかえる都市・トリノ。トリノオリンピックでは荒川静香選手が金メダルを獲得したことが記憶に新しいですね〜

ホテルはトリノの中心にあるポルタ・ヌオーヴァ駅のそばにあります。
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ポルタ・ヌオーヴァ駅は終着駅ですので、始発駅にもなりますね!DSCN3210[1].JPG

トリノのポルティコ(アーケード街)です。DSCN3181[1].JPG


町の中心、サン・カルロ広場です。
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王宮とカステッロ広場です。DSCN3186[1].JPG

ヨーロッパははじめてなのですが、歴史を感じますし、石畳の道も味があるな〜って思います。
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ただ、車の運転が荒いです!
タクシーに乗っても「前の車にぶつかる!」ってくらいの車間距離です…
歩く人も車に気を使っているかんじですね…

今、10月2日の正午過ぎです。
午後も街を散策してみます(^^)



posted by 副院長 at 18:48| Comment(0) | TrackBack(0) | '14ニュースレター

Vol.143 「イタリアの学会に参加します」

2か月ぶりの更新です。

10月3,4日の2日間、イタリアのトリノでAIGという噛み合わせの学会に参加します。
海外の学会は3回目ですが、今回はポスター発表も行います。

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フランクフルト空港でトランジット

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トリノへは1時間遅れのフライト

仙台から19時間の旅でした。
今、日本時間の午前4時で、まったく寝ていませんが、眠くありません…。
しっかり学びたいと思います。


posted by 副院長 at 04:17| Comment(2) | TrackBack(0) | '14ニュースレター

2014年07月30日

Vol.142 「月一会30周年記念講演会」

 7月も残すところ2日です。来週は仙台の七夕祭りですね!

 7月26日の土曜日、私も所属している仙台の勉強会「月一会」が創立30周年を迎えました。私自身が月一会に入会したのが平成13年でしたので、会の歴史の長さを感じます。会長はみんなに愛されている菅崎直身先生で、20年近く会長をされていらっしゃいました。

http://www.kanzaki-shika.jp/doctor.html

 自分のオフィスを提供し、若手の育成を継続して行ってきました。また、自分の理論を押し付けず、後輩を良い方向へ導くような教育理念で、多くの臨床家を育ててきました。

 月一会が主体となって行っている、日本顎咬合学会の東北支部も、菅崎先生とその弟子達によって、その輪を広げることが出来ました。26日は現会員の中から10名がエントリーして、13分間のプレゼンをリレー形式で行い、3時間の記念講演会を無事終了することができました。

月一会30周年記念プログラム.xlsx

 講演会には多くの仲間が駆けつけてくれました。3年前の震災後、半年ほど宮城県歯科医師会館が使用できなかったために、その間他の会場を使用して勉強会を続けてきましたが、東京の勉強会「てんとう虫」の皆様からの多大なご寄付によって、会場をお借りして勉強会を続けることができました。そのてんとう虫のメンバーの方が小林前会長、亀田新会長をはじめ、たくさんの方にご参加いただきました。
 また、同じく東京の「包括歯科医療研究会」の皆様には、今回も鮮やかなお花やたくさんのご祝儀をいただきました。
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 代表の鈴木尚先生は、震災の後2度も仙台に足を運んでいただき、講師料無しでご講演をいただきました。さらには日本顎咬合学会から理事長の渡辺先生、常務理事の俵木先生、さらには元理事長で、長年東北支部を牽引してくださっている菅野先生にもご参加いただきました。いずれの先生方も日本を代表する素晴らしい臨床家であり、様々な分野で後輩を育成している重鎮ばかりです。こういった著名な先生方と親交を深めることが出来たのも、月一会の諸先輩方のおかげです。

 歯科関係の業者の方々も数多く参加いただき、懇親会も大変盛り上がりました。新会長となる木村先生は、宮城県歯科医師会一の酒豪の名に恥じず、朝の5時までゲストを連れまわしておりました。

 大学を卒業した後、セミナーや講習会に参加して勉強をすることも大切です。しかし、学会や勉強会は自分も発表する機会を得ることが出来ます。自分の気づかなかった部分を仲間に指摘してもらえる、或いは後輩によりよい知識を共有してもらうためにも、学会や勉強会の存在は必須のものです。そして同じ方向を向いた全国に散らばる歯科医療人とディスカッションできることに、改めて幸せを感じることが出来ました。DSC_0110.JPG
月一会・てんとう虫・包括歯科医療研究会の皆さん


posted by 副院長 at 17:20| Comment(0) | TrackBack(0) | '14ニュースレター

2014年06月26日

Vol.141「学会に参加して」

 いよいよ夏本番ですね!
 
 毎年6月は2つの学会に参加するので、土、日がつぶれてしまうのですが、今年はとても有意義な学会でした。特に日本臨床歯周病学会の年次大会でお招きしたイタリアのTONETTI先生の臨床は素晴らしかったです!

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 アメリカの先生方は、結構簡単に歯を抜いて、インプラントという人工歯根を埋める治療が多いのですが、TONETTI先生は、さすがにこれは残せないだろうという歯周病末期の歯を保存していたのに驚きました。歯周治療の奥深さを目の当たりにしてきました。さらに、精度の高い外科処置によって、従来法の再生治療から薬や材料を補填しなくても再生療法ができるんだという実例を見せていただきました。その理論的な背景、また統計を取ることによって確実な結果を出していることを提示してくれたので多くの学びがありました。

 ここのところ、歯周病の学会なのにも関わらず、インプラント関係の発表が多く、おかしな方向へ進んでいないかと心配する会員が多かったのですが、昨年の北海道大会から「歯を保存する」ことを第一に考える、日本臨床歯周病学会らしさが復活してきたように感じました。

 学会では毎年お会いするメンバーと顔を合わせることが出来ますし、多くの発表を見ることで勉強になると同時に刺激を受けてきます。日本臨床歯周病学会東北支部では4名の方が発表されました。

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岩手県の佐藤奨先生

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郡山の糠沢先生

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松島町の岡山先生

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石巻の衛生士・木村さん

4名がそれぞれ発表され、高い評価を受けました。

 2011年の7月に日本臨床歯周病学会の年次大会がはじめて東北は仙台で行われる予定でしたが、3月の東日本大震災のために開催を断念した経緯がありました。来年2015年の7月に改めて東北発の年次大会を予定しています。今年の名古屋の大会においては、東北のメンバー一同、来年の年次大会をイメージしながら参加してきました。市民フォーラムも同時開催されますので、多くの方に参加していただきたいと思っております。

日時:2015年7月18,19日
場所:仙台国際センター

 私事ではありますが、昨年の日本顎咬合学会での発表を評価され、優秀ポスター賞をいただきました。日ごろお世話になっております、東京の吉見先生をはじめ、多く皆様に感謝申し上げます。

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月一会からは共に学んでいる虻江先生、菅崎紳先生も優秀賞を受賞されました。

また、日本臨床歯周病学会で共に学んでいる石巻の三宅先生も受賞されました。
東北のメンバーが多数選ばれていることはとても励みになりますね!

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左から内田先生、私、三宅先生、若林先生
posted by 副院長 at 14:24| Comment(0) | TrackBack(0) | '14ニュースレター

2014年05月19日

Vol.140「暗闇の世界」

 今年の楽天イーグルスはどうも調子が上がらないですね…頑張ってほしいです。
 
 さて、先日「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に参加してきました。お聞きになったことが無い方も多いですよね?そこは暗闇の世界です。一切の光がない空間です。真っ暗闇の世界を白い杖と、インストラクターさんと、そして一緒に参加するほかのメンバーの声や息使いで進んでいくのです。

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 そもそもこの「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は知人からの又聞きで知ったのですが、視覚以外の五感を研ぎ澄ませるために参加してる人がいるという話を聞いて、一度体験したいと思っていたのです。スタッフの方の親切な案内から始まって、トータルで90分ほどの体験が出来ます。興味のある方には失礼になりますので詳細はご紹介しませんが、とても神聖な気持ちになりました。  

 共に参加した娘以外のメンバーはその日その場所で始めてお会いしたい人ばかりでしたが、暗闇の世界では、全員が一つのチームとなりました。靴を介して伝わってくる地面の起伏、白い杖から感じる地面の傾斜、外界の音が一切遮断された静寂な空間、交感神経がバリバリに働きそうな気がするのですが、インストラクターの方の優しい声や静寂さは同時に落ち着く要素もありました。

 実はそのインストラクターの方は視覚障害者でした。その方は24時間暗闇の世界で生活しているのです。その方に暗闇の世界を案内していただいたのです。

 今回の体験で聴覚や触覚、嗅覚の重要性を再認識できましたが、同時に視覚障害者をはじめとして、我々健常者がもっと介入すべきことが多々あるように思えました。そう、周りの人の眼など気にせず、ためになる親切を進んでしようって感じですね〜。

 歯科治療を通しては、普段から心がけているつもりですが、指先や器具を通しても、患者さんが“安心感”を感じられるようにスタッフと共に頑張っているつもりです。
皆さんも是非暗闇の世界を体験してみてください(^^)

http://www.dialoginthedark.com/did/
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2014年03月27日

Vol.139「ブラキシズムとは」

 3月は出会いと別れの季節ですね。当医院でも11年勤務した瀬戸が退職し、鎌田が新戦力として加わりました。

 さて、3月22,23日は札幌でiaaid(国際先進学際歯科学会)という学会に参加してきました。

http://www.iaaid-asia.jp/meeting/index.html

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(真ん中が水滸会の会長:吉見先生)

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テーマは「ブラキシズムと咬合」でした。「ブラキシズム」とは歯ぎしりや食いしばりなど、夜間寝ているときのかみ合わせを指します。歯ぎしりと聞くと、ギシギシと音を立てて周りの人が不快になったり、歯が削れてしまったり、知覚過敏が起きたりと、あまり良いイメージがないかもしれません。しかし、生理学的にはストレスを発散させるため重要な行為だとも言われています。本学会はこのブラキシズムというテーマに対して、世界をリードしていると言っても過言ではないようなメンバーが講演してくださいました。

 睡眠には眠りの浅いレム睡眠と、眠りの深いノンレム睡眠とが交互に繰り返されることはご存知の方も多いと思いますが、このノンレム睡眠からレム睡眠に移行する際、ブラキシズムが行われていることが多いのです。つまり、睡眠のコントロールにブラキシズムが関与している可能性が高いということです。

 歯科の世界ではこのブラキシズムが歯を破壊したり、歯周病を増悪させる「敵」のようなイメージで紹介されることが多いと思いますが、生命の維持にとってもブラキシズムはとても重要な行為である可能性が高いと考えられます。したがって私達はブラキシズムを止めるではなく、強さをコントロールすることに目標を置くべきだと考えています。よいかみ合わせというのは、夜間のかみ合わせまで考慮すべきだということです。

 以前、このブラキシズムは“病気”と捉えられていました。現在でも歯科の世界ではそのように感じている方も少なくありません。しかし、適切なブラキシズムによって睡眠が安定し、ストレスのマネージメントに関与していることを知れば、日常生活にとって不可欠な行為とみなすことが出来ます。行き過ぎたブラキシズムは歯が磨り減る、歯周病を悪化させるばかりでなく、肩や首のこりにもつながります。我々歯科医師が的確な診断をして、必要があればそのコントロールをお手伝いして、皆さんの健康に寄与できればいいなと思っています。

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私事ですが、今回の第6回iaaidで最優秀ポスター賞をいただきました。iaaid-Asia会長の佐藤貞雄先生から表彰状をいただきました。これもひとえに日ごろご指導いただいています、東京の吉見英広先生のおかげです。ありがとうございます。
posted by 副院長 at 13:44| Comment(2) | TrackBack(0) | '14ニュースレター

2014年03月05日

Vol.138「酸蝕症について」

いよいよ今月で平成25年度も終わりですね。出会いと別れのシーズンです。

さて、3月9日(日)東京医科歯科大学う蝕抑制学講座の北迫勇一先生のご講演を聞く機会に恵まれました。以前から興味のあった「酸蝕症」についてのご講演でしたが、大変ためになりましたので、資料を用いて皆様にもお伝えしたいと思います。
 一般的には虫歯で歯が溶けるというイメージがあると思いますが、pHの低いもの、特に飲み物の過剰摂取によって、歯の表面が溶けてしまう状態を指します。「健康のために毎日黒酢を飲んでいる」「運動部に所属していてスポーツドリンクを欠かさず飲んでいる」「朝はグレープフルーツを食べて、すぐに歯を磨く」ことが酸蝕症の原因になりえるのです。また、つわりがひどかったり、拒食症で頻繁に嘔吐されてしまう場合も、胃酸によって歯が溶けていきます。

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健康な方の上の歯です。

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酸蝕症の方の上の歯です。健康な方に比べて、極端に歯が溶けていることがわかると思います。




 歯は酸性にさらされて表面が溶けていきます。なので酸性度の高い食品を頻繁に摂取すれば、酸の力で歯が溶けていくのです。
 今回は北迫先生達のグループで調査した飲みのもを中心とした食品のpHをご紹介して、皆さんの認識を改めてもらおうと思います。

以下クインテッセンス社の「酸蝕歯って知っていますか?」から図を抜粋いたします。

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pHが5.5より低い値の飲み物は、歯の表面が溶けてしまう可能性があるわけです。「ダイエット〇〇などと低カロリーを謳っていても、歯は溶けるのです。

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皆さんがお子さんに飲ませている飲み物は含まれていますか?

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チューハイって意外とpHが低いですね…気をつけましょう

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健康のために良いと思っていた飲み物…見直すべきかもしれません。

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まさか果物で歯が溶けるなんてね〜

これらのもの全てを否定しているわけではありません。ただ、接触頻度・回数が多い場合は要注意です。どうせ摂取するならpHが5.5以上のもののほうがいいとわかっていて、皆さんが飲み物を選択すればいいという事です。
posted by 副院長 at 20:00| Comment(3) | TrackBack(0) | '14ニュースレター

2014年02月26日

Vol.137「87歳のローズさん」

ソチオリンピックも終わりましたね。日本の選手団はがんばりましたよね!
さて、皆さんは継続した「学び」をされていますでしょうか?ひょんなことから下記のストーリーを知ったのですが、とても深い話なのでご紹介しますね。

「87歳の大学生 ローズ」
学校が始まる最初の日に、教授は自己紹介の後、私たちに、まだ知らない人と友達になってみなさいと課題を出した。
私は立って、周りを見回したとき、誰かが肩を優しくたたいた。
振り返ってみると、しわくちゃの小さいお婆さんがまるで彼女の全身を輝かせるほどの笑顔で私を照らしていた。
彼女が言った。「やぁ、ハンサム君。私はローズよ。87歳なの。ハグしていいかしら」
私は笑って、熱烈に答えた。「勿論ですよ!」彼女はとびきり強く抱きしめてきた。
「どうしてそんな若くて、無垢な年齢で大学に入ったのですか?」私は尋ねた。
彼女はジョーク一杯に、「金持ちの男を見つけて結婚し、子供を生むために大学に入ったの。」


「いや、冗談抜きに」私は尋ねた。一体何が彼女にそんな年齢になってまで大学に入ろうと思わせたのか興味があったからだ。
「私はいつも大学に入ることを夢見てたの。そして今、夢を一つかなえたのよ!」
授業が終わり、私たちは学生会館に歩いていき、チョコレートミルクシェーキを分け合った。
私たちはすぐに友達になり、それから3ヵ月、毎日一緒に教室を出てエンドレスに話し合った。
私はいつも、彼女の話す知恵と経験に富んだタイムマシンのような話に魅了された。
その年の履修が終わる頃には、ローズはキャンパスのシンボルになり、どこへ行ってもすぐに友達になれた。
彼女は着飾ることが好きで、他の生徒から彼女に向けられる注目を大いに楽しんでいた。
学期の終わりに、ローズに話してもらうために、私たちのサッカーの祝宴に招待した。
私は彼女が教えてくれたことを決して忘れないだろう。
彼女は紹介されたのち、演壇に立った。
彼女は用意したスピーチのカードを持ち出すとき、床に落としてしまった。カードがうまく取れなくて、イライラと恥ずかしさを感じながら、彼女はマイクに身を乗り出し、シンプルに言った。
「ごめんなさいね。今日は神経が立ってるみたい。キリスト教のレントの期間にビールを絶っていたから、このウィスキーがとても最高だったの。」
スピーチの原稿がうまく取れそうにないから、私の知っていることを話しますね。
私たちが笑っている間、彼女は喉払いし、話し始めた。
「私たちは年を取ったから遊ぶのをやめるのではありません。遊ぶのをやめるから、年を取るのです。若くあり、幸せで、成功を成し遂げるための秘訣は4つしかありません。毎日、笑ってユーモアに生きなければなりません。
夢をもたなきゃいけないわ。夢を失ったとき、あなたは死んでしまう。
死んだまま歩き回っている人がたくさんいるわ。そして死んでいることにさえ気づかないの。
年を取ること(growing older)と成長すること(growing up)の間にはとてつもない差があります。
もし、あなたが19歳で、一年間ベッドに寝たままで生産的なことを一つもしなくても、あなたは20歳になります。
私が87歳で、もし一年間ベッドに寝たままで何もしなくても、私は88歳になります。
誰でも年を取ることはできます。それは才能も能力も必要ありません。
いつでも変化する機会を見つけることが成長をもたらすのです。
後悔してはいけません。
年寄りはいつも「したこと」は後悔しませんが、「しなかったこと」を後悔するのです。後悔する人だけが死を恐れるのです。」
彼女はスピーチを締めくくり、勇敢に「The Rose」を歌い上げた。
彼女は私たちに歌詞を覚えて、毎日そのように生きるように励ました。
その年の終わりに、ローズは何年も前に始めた大学の学位を終え、
卒業後、一週間して穏やかに息を引き取った。
自ら手本を示しながら、あなたが何かを目指すのに遅すぎることは決してないと教えてくれたその素晴らしい女性の葬儀には2000人以上の大学生が参列した。
これらの言葉はローズの美しい記憶を通じて伝えられてきた。
「忘れないでください、誰もが年を取るけれど、成長するかどうかはその人次第なのです。」
私たちは手に入れたもので生計を立て、与えたもので人生を形作る。


いかがでしょう?いい話ですよね?私自身、「日々成長する」ことを目標の一つに掲げていますが、80歳を過ぎてもその「やる気」を実践していることは素晴らしいですよね?今日もがんばりましょう!
posted by 副院長 at 07:26| Comment(0) | TrackBack(0) | '14ニュースレター

2014年01月27日

Vol.136「献血に行こう!」

 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
 
 2014年も皆さんにとっていい年になるといいですね!


 さて、今回のテーマは「献血」です。皆さんは献血されたことはありますでしょうか?私自身、記録が残っているところで、最も古い献血は1995年でした。ほぼ20年前ということになります。

 献血は身近に出来るボランティアの一つだと思います。私自身は年に3回400ml全血献血を行っています。私の所属している仙台歯科医師会の学術委員会では、柏崎委員長の発案で「百学連関」という企画があり、毎月担当者が、他の委員の方へ情報発信をしています。今月は私が担当ということで、献血について色々と調べてみましたので、皆さんにもご紹介をしたいと思います。


献血の歴史
 1616年 フランスで貧血と高熱のある青年に子羊の血液を輸血し顕著な回復をみせる。
     その後も子羊の輸血は続いたが、一人の患者が死亡に至り、ヨーロッパでは全面禁
     止。
 1825年 イギリスの産科医が出産時の出血で死に瀕した婦人に輸血をして成功。
     この後行われた輸血では重い副作用や死亡事故は当たり前だった。
     血液の凝固の問題があり、aim to aimの輸血が一般的だった。
 1900年 オーストリアの医師がABO型の血液型を発見。これにより副作用や死亡事故が減
     少。
 1914年 クエン酸ナトリウムを血液に混入すると血液が固まらないことを発見。     
 1937年 アメリカの医師が血液銀行を設立。1回の献血は500ml、保存期間は10日だった。

日本の献血の歴史
 1919年 近代輸血が日本に導入
 1930年 浜口首相が東京駅で暴漢にピストルで撃たれる。東大の教授が東京駅で輸血を行
     った。
     これがきっかけで献血が日本で一般的に。
 1943年 輸血により東大病院で梅毒感染が発覚。本格的に血液事業に取り組む
       日赤は無償で献血を呼びかけた。
       しかし、民間の商業血液銀行が血液を買っていたため、献血者は激減。
       1ヶ月に70回も献血をするものも出てきて、赤血球の少ない血液が出回った。
 1968年 民間血液銀行の売血が姿を消す
 1990年 血漿分画製剤製造のための有償採血が中止となり、日本での売血は姿を消す。
       血液製剤の製造を目的とする採血は日本赤十字社のみとなる。

献血者数
 1994年 661万人→ 2011年 525万人へと減少

 現在特に若い方の献血者が減っているのが現状だそうです。

仙台では次の場所で献血することが可能です。

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献血の条件

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献血の手順
1.受付
   身分証明書が必要
2.問診表の記入
   その日の体調、3日以内に出血を伴う歯科治療を受けたか(スケーリングも含む)、育毛薬   (1ヶ月以内)・前立腺肥大治療薬の服用(6ヶ月以内)の有無、インフルエンザの予防接    種(24時間以内)、病気の既往(B型・C型肝炎・がん・血液疾患・心臓疾患などの有無、    海外滞在の有無、エイズの検査か?不特定の異性と性的接触があったか?男性で6ヶ月以内   に男性との性的接触があったか?輸血・臓器移植の有無 、ピアス・刺青を入れた人(6ヶ   月以内・ただし口腔、鼻腔、舌など粘膜を貫通している場合は献血そのものがNG)など
3.医師による問診と血圧測定
4.ヘモグロビン濃度測定、血液型事前判定
5.献血 
   全血で10〜15分、成分献血で40〜90分
   一人ひとりのベッドにTVあり 
6.休憩
   飲み物、パンなどが無料で置いてある
7.献血カード受け取り



血液豆知識
   体重70kgの場合5kgが血液(体重の1/13)
   血液 有形成分45%(赤血球96%、白血球3%、血小板1%)、血漿55%
    
献血豆知識
   全血の保存方法は?
      分離して保存される
   
   成分献血って?   
      血小板献血と血漿献血がある
      血液を戻すとき、血液の凝固を防ぐため、クエン酸ナトリウムを入れる

   成分献血における血小板献血と血漿献血の使い分けは?
      必要な方を選択(病院などからの指示に従って決定される)
       血小板は4日寿命
       血漿は6カ月保存後、1年以内に使用
       比率は1:1くらい 
 
   なぜ成分献血が良いのか?   
      全血200mlから得られる単位を1とすると、
      全血400mlから得られる赤血球成分は2単位
      血小板成分献血から得られる血小板は10〜20単位

   採血・献血のスピードは?     
      採血時:60ml/min、献血時:70〜80ml/min
      ポンプでスピード調整

   針の太さは?            
      17ゲージのものを使用
       18ゲージ:直径1.2mm
       31ゲージ:直径 0.25mm
  採血:21〜27ゲージ
        静脈注射:21〜23ゲージ
        インスリン注射:30〜31ゲージ  

   血管が細い人は?     
      暖かいものを飲むよう指示される

   次回の献血可能日はいつ?      
      全血200mlは4週間後
      全血400mlは女性16週間後、男性12週間後
      成分献血は2週間後
       回復までの時間 
        血漿成分2日
        血小板成分4,5日
        赤血球3週間(従って全血献血の次回献血可能日が遅くなってしまう)                     
   採取した血液はいつ使われる?
      成分献血(血小板成分)は4日以内
      全血は3週間以内に輸血される



その他 
 ・採血ベッドは足側が高くなっている
 ・複数回献血すると、粗品がもらえる
 ・献血だこというものがある
 ・血液センターに友達と来て、食べたり飲んだりして帰る人もいる
   →困った人もいるなと思って、献血センターの看護師さんに聞いてみたところ、「付き添い   の人が次回来てくれるかも知れないので、どんどん来てほしい」とのことです。お話を聞    いて、なんて素晴らしい方なのだろうと感銘を受けました

今回は杜の都献血ルームAOBAの所長・早坂さんにお話をお伺いしました。とても丁寧に答えていただきました。看護師さんも皆さん優しい方ばかりです。是非皆さんも献血をしましょう。皆さんの血液で救われる方がたくさんいらっしゃしますから…
posted by 副院長 at 13:53| Comment(0) | TrackBack(0) | '14ニュースレター