2013年10月21日

Vol.133「噛み合わせと全身の関わり」

 プロ野球は楽天イーグルスがパ・リーグを制し、CSもあと1勝すれば日本シリーズ決定です。楽しみですね〜

 10月20日、新潟の朱鷺メッセで行われた日本顎咬合学会咬合フォーラムに参加してきました。

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「咬合・咀嚼と全身の関わりを紐解く」というかなり難しいテーマでしたが、新潟大学の山田教授、北九州の筒井先生、日本歯科大学新潟校の小出教授の3名の先生方による講演でした。特に筒井先生と小出教授の講演は、噛み合わせと全身との関係を、図や写真を使ってわかりやすく解説していただきました。噛み合わせが原因で、何十年も苦しんでいたところを、筒井先生、小出教授の診査・診断の下、適切な治療を受けて全身の問題も解決したという症例を提示いただきました。
噛み合わせに異常をきたすと、頭が傾き三次元的なねじれも生じる、両肩のラインが傾き、腰がねじれていく様を図解もしていただきました。

 体の不調の原因が噛み合わせにある場合が少なくないのですが、実際に患者さんがそこに気づけるか?また、歯科医師が正確に判断することは容易ではありません。私自身も自信を持って診断できるようになったのは2005年からです。筒井先生も小出教授も早くから噛み合わせの問題を指摘し、我々一般開業医にもわかるように講演会で説明したり、論文・書籍を書かれてきました。

 噛み合わせに問題があると、顔面の筋肉に痛みを生じたり、耳が聞こえにくくなったり、関節部に痛みを症じたり、肩こりや頭痛が生じたりします。もちろんこの全てが噛み合わせによって起こっているとは申しませんが、関連がある場合が多いと思います。虫歯や歯周病の検査と違って、画一的な診査方法があるわけではないことも、その診断が困難である理由の一つです。何度かご紹介しているアキシオグラフでは、その噛み合わせの異常を1/100mmの単位でデジタルに調べることが可能です。筒井先生や小出教授は独自の診査法で診断・治療に当たっています。いずれにせよ、正確な診断の下、的確な治療を行うことで、噛み合わせは改善していく場合がほとんどです。日本顎咬合学会はこの「噛み合わせ」を中心に臨床を行っている歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の集まりで、会員数も8,000名を超えました。噛み合わせを学ぶのにもとても良い環境の学会です。筒井先生や小出教授、また私が師事する神奈川歯科大学の佐藤貞雄教授のようなリーダーから正しい臨床を学び、各医院で
実践されていけば、多くの方が救われると思います。
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2013年09月09日

Vol.132「井上裕之先生をお招きして」

 楽天イーグルスいよいよマジック点灯しましたね!初優勝は目前です。また昨日は2020年のオリンピック開催地に東京が決まった記念すべき日でもありました(^^)

 さて、昨日は夢メッセで宮城県歯科医学大会が開催され、講師に帯広でご開業の歯科医師・井上裕之先生をお招きしてご講演を頂きました。

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井上先生は私と年齢も卒業年も全く一緒の同級生に当たりますが、累計部数80万部をこえるベストセラー作家でもあります。井上先生の処女作「自分で奇跡を起こす方法」を書店ではじめて見かけたとき、大きな衝撃を受けたことを記憶しております。交通事故で奥様が瀕死の重症を負い、医者からは植物人間を覚悟するよう言われたところから、「絶対に治るんだ」という強い信念の下、意識も戻り、普通に生活できるまでに復活したという感動的な実話を本にしたのです。前回のブログで紹介した、心肺停止した友人が意識不明だったときも、勇気を出してもらうよう友人の奥様に井上先生の本を渡しましたが、とても前向きになれたと感謝されたことを思い出します。

 今回の歯科医学大会は、歯科関係者の集まりでしたので、自分の仕事にどのように向き合うか?どうやってモチベーションを高めるかなどについて、実例を交えてお話いただきました。その中でも井上先生が好きな詩を紹介してくださったのですが、とても印象的でしたのでご紹介します。タイトルは「最後だとわかっていたら」というもので、もしその人と会うのがその日最後だとわかっていたら、もっと優しくできたのに…という内容です。自分にとってあまり得意ではない方と接する機会も多々あると思います。でもそんな時、感情をむき出しにして露骨にいやな顔をしてしまったとして、その方に出会うことがもうないとわかっていたら、もっと優しくできただろうにということだと思います。

 また「ミッションがもっとも大事である」ことも力説されていました。このミッションを軸に生きる、相手に伝えることをすればよいということです。当たり前のようなことでも、実際に行動しそれを継続することは容易なことではありません。誘惑や悪しき習慣に負けてしまうことも少なくないと思います。だからこそ、軸のぶれない「ミッション」が必要なのだと認識できました。井上先生の本をまだ読んだことがない方がいらっしゃいましたら、是非お読みいただくことをおススメします(^^)

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2013年08月24日

Vol.131「救急蘇生」

 暑い日が続きますね…楽天イーグルスは優勝できるでしょうか?今夜も応援に行くつもりです(^^)

 さて、7月の初めに大学の同級生で今でも仲の良い友人が、就寝中心肺停止状態になりました。幸い奥様が異変に気づきすぐさま119番通報、その後電話の指示に従い生まれてはじめての心臓マッサージを行ったそうです。救急車の到着も早く、AEDも使用して、救急病院へ搬送されたときには心臓も自発的に動き始めたそうです。

 その後2日間の低体温治療を行って、3日目に意識が戻りました。1週間もすると記憶も含めてほぼ完全に治癒いたしました。後遺症がほとんどなかったことは本当に良かったと思います。以前野球の試合、ソフトボールの試合でそれぞれ心肺停止を目撃しましたが、幸いにして2人とも現在元気にプレーしています。

 さて、友人の話に戻りますが、搬送された病院には、友人が運ばれた1時間後にも同様の患者さんがいて、その方は友人より10歳以上若かったのですが、いまだに植物状態だそうです…年齢ではなく、いかに心肺停止の時間を短く出来るか?がポイントだということですね。
 
 友人の奥様も歯科衛生士ですので医療従事者ではありますが、救急蘇生の経験はありませんでした。経験のある方であっても、家族の蘇生となると冷静でいることは困難であると思います。避難訓練と同様、日々のトレーニングは重要ですよね?当医院でも2007年以来になるのですが、今回の友人のことをきっかけに救急蘇生の実習を行いました。株式会社セキムラの柴田様にお手伝いいただき、スタッフ全員で心臓マッサージ、AEDの使用法を再確認しました。

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 友人は1ヶ月の入院で治癒し、現在診療も始めています。奥様は命の恩人ですから、今まで以上に家族愛も深まることでしょう。しかし、今回の友人、野球で倒れた後輩、ソフトボールで倒れた選手は3人とも酒とタバコが大好きでした。家族のためにも吸い過ぎ、飲みすぎには注意!ですね。
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2013年07月23日

vol.130「新人衛生士ベーシックセミナー」

 夏本番!参議院選挙も終わりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

 21日の日曜日、日本臨床歯周病学会東北支部で第1回歯科衛生士ベーシックセミナーを開催し、約80名の参加がありました。天気の良いせっかくの日曜日でしたが、熱心な衛生士さんたちが5時までしっかりと勉強していきました。ベーシックセミナーということで、講義形式で5名の講師がそれぞれ持ち時間1時間、またランチョンセミナーとして(株)GC様、(株)モリタ様にも新商品の説明をしていただきましたので、まさに丸一日勉強漬けでした。

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 講師陣は日本臨床歯周病学会副理事長・指導医、日本歯周病学会指導医でもある江澤庸博先生、日本臨床歯周病学会認定医・東北支部専務の鈴木道治先生、日本歯周病学会および日本臨床歯周病学会の認定歯科衛生士の人見早苗先生、佐藤令子先生、そして私の5名が担当致しました。

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・歯科衛生士の重要性
・歯周病の病院論
・全身疾患と歯周病
・歯周組織と歯根の形状
・歯周組織の診査法
・レントゲンの読影の基礎
・口腔内写真撮影
・Gキュレットの構造と操作の基礎
・ブラッシング指導の基礎
・メインテナンスの重要性
 以上10項目について講義形式で行われました。

 参加された方は学会の会員だけでなく、非会員の方も大勢いらっしゃったので、普段の臨床とギャップがあって、戸惑いのあった方も少なくなかったようです。口の中の写真を撮影してみたいけど、病院にはカメラがない、ポケットの測定はしているけど、あんなに細かくやっていない、レントゲンの読影をしたことがないなど、さまざまな思いがあったようです。しかし、上記のことはとても重要で、患者さんのためになることばかりです。今回のセミナーをきっかけに、多くの衛生士の方が、よりレベルの高い臨床に目覚めていただければいいと思います。
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2013年06月06日

Vol.129「素敵な生き方」

 日が長くなりましたね〜。エアコンも要らないこの季節はとても好きです(^^)

 さて、今回はある方から聞いたお話です。歯科にはまったく関係ありません。

 主人公のTさんは60歳代の女性、そのTさんのお母様が先日お亡くなりになったのです。Tさんは複雑な家庭で育ち現在に至りました。Tさんが生まれてすぐご両親が離婚、お互いが望んだ結婚ではなかったそうです。Tさんはお母さんが引き取り育てていたのですが、Tさんが3歳だった頃、お父さんが会いに来て、ちょっと外で遊んでくると言ったまま、Tさんを連れて行ってしまったそうです。当然お母さんも探しにいったのですが2人の行方がわからなかったそうです。その後お父さんが再婚、新しいお母さんとの間に2人の弟が生まれたのですが、その後離婚、Tさんは施設で暮らしていた時期もあったそうです。

 その後Tさんは幸せな結婚をし、2人の子供に恵まれました。それまでの間、実のお母さんを探し続けていたそうです。そんな折、やっとお母さんを見つけ、連絡をし、仙台駅で20年ぶりの再会を果たしました。Tさんはお母さんの顔を覚えていません。今のように写メを交換することもできなかった時代です。Tさんのお母さんは小さな2人の子供を連れたTさんを見つけ、感動の再会を果たしたのです。

その後何度か2人は会ったそうですが、お母さんはあまり会うことを好ましくは思っていなかったそうで、たまに電話をする程度だったそうです。
 お母様はその後独り身でしたし、家族だけのささやかな葬儀だったそうです。しかしTさんはその葬儀でも決して前に出ることもなくご兄弟主体で進められる葬儀に静かに参列していたそうです。通夜が終わり誰が故人を朝までお守りするか決めかねていたときに、「よろしかったら私が一緒にいてもいいですか?」とおっしゃったそうです。遠くから葬儀に駆けつけてお疲れなのに、葬儀場にお泊りし「今晩は母を独り占めできます」とにこやかにお話したそうです。そして「わたしは捨てられたわけじゃなかったんです」とも言っていたそうです。
 境遇だけを聞くと、愚痴を言ったりぐれたりしたりなど、ネガティブな行動を取ってもやむをえないなと思えますが、Tさんは明るく前向きで感謝の気持ちを持っていたそうです。ストレス社会といわれる今、心が洗われるようなお話を聞きました。

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2013年05月20日

Vol.128「あれから2年」

 2ヶ月ぶりのニュースレターです。年度が替わり、皆さんも落ち着いた頃だと思います。

 昨日東京で行われる会議出席のため、土曜日から東京へ向かいましたが、福島駅を出たところで新幹線が急停車、停車する前に停電もありました。震度5の地震のためでした。午後3時前のことでしたが、車内は停電で電気はもちろんのこと、空調も止まり全く音のない世界を経験しました。車内アナウンスが流れるまで1,2分あったでしょうか?ゆっくりと車両が横に動いていることを感じました。外の景色を見ても揺れによる影響はなかったように思いました。ニュースを見ていた北海道の先輩から電話をいただき、地震のことを認識しました。

 2011年3月11日の大震災から2年と2ヶ月が経過しましたが、皆さんの生活はいかがでしょうか?沿岸部の方々、福島の原発の影響を受けている方々、まだまだ大変な思いをされている方が少なくないと思います。また、遠方から様々な形で支援をしてくださった方々には大変お世話になりました。

 GWに塩釜の友人と翠松亭というお店で食事をしました(というかご馳走になってしまいました!)グルメレポートすべき本当に美味しいお食事を出すお店なのですが、その友人は自宅の1Fを津波で流され、秋口まで自宅に戻ることができなかったのです。ガラスは全て破れ、床は一面泥だらけ、重い冷蔵庫も横倒し、 食器棚の器には海水がたっぷりと入っていました。家内と手伝いに行ったときには呆然としてしまいました。家の中へはベランダ側から土足で入ったのですが、床の泥の量が多く、2日目には長靴で作業をしました。拭いても拭いてもぴかぴかにはならないのですが、終わった後「ごく綺麗になった」と喜んでくれたときは、ホッとした気持ち半分、やるせない気持ち半分といったところでした。幸い家族3人とも自宅にはいなかったので無事でしたが、リフォームが終わるまでの期間、本当に大変だったと思います。今は平穏な生活に戻りましたし、昨年は自宅にもお招きしていただきました。

 一昨日のような揺れを感じると、不安にもなりますよね…ですが、震災後「困っている人の力になりたい」という気持ちを世界の皆さんが持ったことと思います。各国間の争いごとももちろんですが、私たちの身の回りに起きている小さな衝突も、震災後のように心をひとつにして、隣人と助け合った気持ちを取り戻せたらいいなと思います。
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2013年03月25日

vol.127「ClassUの治療について」

 いよいよ桜の季節です。夜はまだまだ寒いですけどね…

 3月23,24日は広島でiaaid(国際先進学際歯科学会)という学会に参加してきました。

http://www.iaaid-asia.jp/meeting/index.html
 

テーマは「治療下顎位の実践」でした。「下顎位」というのは「かみ合わせの位置」という意味です。「かみ合わせがずれている」といことは「下顎位が偏位している」という意味です。歯科の分野でも、この治療下顎位を模索することは、とても難しいとされています。

 今回の大会でも基調講演をされた佐藤貞雄教授は、この治療下顎位をピンポイントに見つけることを含めて、かみ合わせに対する概念を一から十までわかりやすく教えてくださいます。

 大会2日目の昨日の佐藤教授の講演は、その中でもclassUの治療下顎位について詳しく解説されていました。ClassUというのは、一般的に言うと「出っ歯」に分類されるような方を指しますが、それは上の顎が前に出ているのではなく、下の顎が十分に前に出ることができなかった方を指します。一般的な矯正では上だけ左右の4番目の歯を抜いて上下の納まりを整えますが、抜歯をすることでかみ合わせはかえって悪くなってしまうと力説されていました。

 対象の患者さんが子供であっても大人であっても、正しいかみ合わせの位置に下あごを誘導してあげる、この治療を実践しているわけです。

 医科の世界では、診断するために血圧でも血糖値でも、すべて数値化されています。しかし、かみ合わせに関しては、多くの場合、術者の経験や治療の中で患者さんに聞きながら進めていくようなことが多く見られます。佐藤教授の教えはそのかみ合わせに関しても、しっかりと数値化し、治療途中においてもデータ採得を行って再評価をすることを実践しています。

 抜歯をして矯正治療をされた方の中には問題のない方もいらっしゃいます。ですが、できれば抜歯などをする前に、機能の検査などを行って総合的に決定することが大切だと思います。実際に機能の検査をおこなうと、歯並びの悪い方、特に先ほどご紹介したclassUの方は、機能障害を抱えている方がとても多いのです。その場合の治療法は、上の4番目の抜歯をすることではなく、機能の検査をし、噛む位置を前方に配置して、そこで上下の歯が噛みこむように歯を並べていくことが理想的だと思います。

  HPの「矯正治療」の症例@をご覧ください。抜歯を行わずきちんとしたかみ合わせを獲得しています。 http://www.sugiyama-dental.jp/kyousei.html
posted by 副院長 at 14:03| Comment(0) | TrackBack(0) | '13ニュースレター

2013年03月21日

Vol.126「歯科衛生士の仕事」

 もうすぐ平成24年度も終わりですね〜出会いと別れの季節でもあります。昨日は春分の日。東京では桜も見ごろとなっていたようですね!

 昨日、宮城県歯科医師会館で日本顎咬合学会歯科衛生士認定研修が開催されました。伊藤公一先生、村上恵子先生、小林明子先生、鍵和田優佳里先生にご登壇いただき、認定歯科衛生士を目指す40名あまりの受講生にご講演いただきました。当医院でも2名の衛生士が受講しましたが、丸一日しっかりと学んでいました。 歯科衛生士は診療補助も行いますが、歯石除去や口腔衛生指導も主たる業務となす国家資格です。現在歯周病学会、インプラント学会などに認定衛生士制度がありますが、それぞれ歯周病、インプラント治療に対する認定歯科衛生士ということで、専門分野での深い知識と技術を見に付けた方が取得されています。日本顎咬合学会における認定歯科衛生士は、子供から高齢者まで、そして歯周病やインプラント治療だけでなく、虫歯の治療においても幅広く見識を持った歯科衛生士を目指そうというコンセプトで設立されました。

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 伊藤先生は日本歯周病学会の理事長も務められた、文字通り歯周治療の第一人者であります。村上先生はアメリカで歯周治療を学ばれた国際派の歯科衛生士です。小林先生は歯科技工士とのダブルライセンスを持つ数少ない衛生士です。鍵 和田先生は親子2代のドクターのオフィスに勤務する衛生士であります。4名の先生方に共通しているのは「長期経過の症例をお持ちだということです。誰でも「はい、今日で治療は終わりです!」という瞬間がありますよね?でも、我々はそこからがスタートだと思っています。治癒、あるいは病状安定という状況になって、その状態を継続してこそ、安心できるのです。治療前の病的な状態に、誰でも戻る可能性があるわけです。ですから定期健診でその評価をすることが大切ですし、患者さんも定期健診があることで、モチベーションがあがるわけです。

 患者さんと長いお付き合いをする中で、色々な情報交換をしながら、人と人とのお付き合いを深めていけることに喜びを感じています。受付を含めてそういった輪を広げていきたいと思っています。
posted by 副院長 at 08:14| Comment(0) | TrackBack(0) | '13ニュースレター

2013年02月08日

Vol.125 「小惑星探索機 はやぶさ」

 今年はじめてのニュースレターです。今年は雪が多い冬ですね〜

 昨日、仙台歯科医師会の学術講演会で、東北大学大学院理学研究科教授・中村智樹先生をお招きして「小惑星探索機はやぶさが持ち帰ったイトカワ微粒子サンプルの解析から判明した小惑星誕生プロセス」という演題でご講演いただきました。この大成功は映画化もされましたが、中村先生はとても人類学的にも大きな成果を挙げた、大プロジェクトの中心的存在の先生です。

 我々医療人にはなじみの無い分野のお話だったのですが、その成功ストーリーを動画を交えながら淡々とご説明くださいました。特に小惑星イトカワの表面の粒子をどのように持ち帰り、真空状態で採取してきた微粒子をどのようにして解析したのか?については私自身夢中になって話を聞いていました。

 はやぶさの帰還は奇跡の連続だともいえます。4基あったエンジンが2年間の間に1基ずつ壊れてしまい、最後の1基までだめになったことがわかったときは、関係者一同本当に落ち込んだそうです。しかしトラブルを事前に予想し、次の一手を5段階くらいまで考えていたそうで、最初に壊れたエンジンと最後まで粘っていたエンジンを組み合わせることで、それまで以上の力を発揮することができて地球に戻ることができたそうです。しかもその不安定な状況で、オーストラリアの着陸予定地に狂いなく戻ってきたことは、賞賛に値する技術であります。

 私自身知らなかったのですが、はやぶさの全工程は純日本産であり、NASAなどの協力を得ているわけではないそうです。中村先生をはじめ、日本の優秀な科学者や技術者の努力の結晶で大事業を成し遂げたのです。中村先生の次の目標は、はやぶさ2号をJU3という小惑星に飛ばし、さらなる研究をすることだそうです。JU3は太陽系の中でもイトカワよりも外側に位置しているため、さらに難易度が上がる調査になるわけですが、アメリカやヨーロッパに先駆けて今回の大成功を収めた日本チームは、必ずや成功を収めることでしょう。「No.2 ではだめなんですか?」と迫った議員さんもいましたが、宇宙規模の研究は順位の問題ではなく突き進めるべき研究だと感じました。

 異業種ではありますが、中村先生の「絶対にできるという信念」「絶対にあきらめない執念」こそが夢の実現に必要なんだと強く感じた講演会でした。

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(中央が中村智樹先生)

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2012年12月31日

Vol.124「歯を残す」

 本日は大晦日、皆さんはどんな1年でしたでしょうか?
 Facebookでは「自分新聞」というアプリがあって、今年1年を振り返ることができるのですが、とても面白いですね!

 昨年は東日本大震災があり、東北の皆さんは特に大変だったと思いますし、つらい別れをされた方も多かったと思います。私自身は今年の1月に勉強会の先輩が、夏にはソフトボールのチームメイトが、そしてこの12月には大学で同じハンドボール部の同級生を亡くし、悲しい1年でもありました。3人とも50,60歳代とまだまだ働き盛りの方だっただけに、ご家族の悲しみを思うと、ただただご冥福を祈るばかりです。特に同級生の死に関しては、ブログには書ききれない色々な思いもあり、たくさんのことを考えさせられました…

 人の死は、その方の肉体が自ら終了のスイッチを押すのでしょうが、「歯」そのものに命があると考えると、多くの「歯」は歯科医師がそのスイッチを押していることになります。そう考えると、安易にそのスイッチを押してはいないかと、自問自答するようになりました。10年ほど前からでしょうか?我々の業界で「戦略的抜歯」という言葉をよく耳にするようになりました。保存をすることが難しい歯があった場合、いつまでもその歯を口の中に残しておくことによって、その歯を支えている骨まで失うことになる場合があるので、だったら早めに歯を抜いてしまい、骨が残っているうちにインプラントを埋めましょうというコンセプトです。先日、日本臨床歯周病学会東北支部で、大阪でご開業の福西先生をお招きしてご講演をいただきましたが、福西先生もこの戦略的抜歯という考え方には疑問符を投げかけていました。「目」の調子が悪いから早めに取っておきましょうなんて治療はありえないでしょ!というわけです。

 戦略的抜歯の考え方にも一理あることは認めますが、歯周病を学ぶ学会にいる我々としては「歯を保存する」ことに全力を尽くすスタンスで治療に当たるべきであると強く感じた次第です。
 もっとも親知らずに関してだけは、積極的な抜歯がかみ合わせのコントロールやすぐ手前の歯を健全に保つために必要である場合が多いので、親知らずの抜歯に対してだけは心の中で「ごめんね〜」と思いながら抜歯をしています。

 ブログでも何度かご紹介しているシークエンシャル咬合のコンセプトでは、矯正治療のために親知らず以外の歯を抜歯することはほとんどありません。第1小臼歯にはかみ合わせの意味でも重要な役割があります。

 2013年はとことん「歯の保存」にこだわって診療に当たりたいと思います。皆さんも良い年をお迎えください(^^)
posted by 副院長 at 12:27| Comment(2) | TrackBack(0) | '12ニュースレター

2012年11月22日

Vol.123「良い歯ぎしりをしましょう」

 今年も残すところ、1ヶ月あまりとなりました。皆さんにとって平成24年は良い年でしたでしょうか?

 さて、11月14日NHKの「ためしてガッテン」で「歯ぎしり」が取り上げられました。

http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20121114.html

解説にはブログでも何度かご紹介している神奈川歯科大学教授・佐藤貞雄先生が登場しました。歯ぎしりと聞くと、あまり良いイメージを持たない方が多いと思いますが、実際に歯ぎしりによって歯の磨耗、歯周病、虫歯が引き起こされます。また、肩こりや腰痛など全身的にも影響が出ますので、たかが歯ぎしりと侮ってはいけないのです。

 歯ぎしりは他人に指摘されてはじめてわかる場合が多いと思うので、部屋で一人でお休みになる方は自分が歯ぎしりをしているかどうかわかりませんよね?でもほとんどの方が歯ぎしりをしているのです!番組で紹介されていた判別法をご紹介します。ひとつは「骨隆起」です。

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(それぞれ内側に膨らんでいる部分があることがわかります)

歯に巨大な力が継続して加わると、その周囲の骨が膨らんでいくのです。

もうひとつはくさび状欠損です。

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歯ぐきとの境目に近い部分の歯がえぐれていることがわかります。


自分が本当に歯ぎしりをしているかどうかを調べるツールとして、当医院ではブラックスチェッカーを使っています。

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これは私自身のものですが、赤い色のはげたところで歯ぎしりをしていることを示します。

 しかし、歯ぎしり自体は悪い行為ではありません。ストレスを発散するために重要なのです。番組でも逆流性食道炎に対して、歯ぎしりが治癒に効果的だということを取り上げていました。つまり歯ぎしりは必要な行為だが、行き過ぎた「力」が問題であるということです。その力のコントロールにもっとも簡便な方法がマウスピースです。

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このマウスピースを使うことで歯そのものにかかる力を減らすばかりでなく、歯ぎしりのパターンを力を減らす方向に変えていくのです。皆さんも良い歯ぎしりでストレス発散を快適に行ってください(^^)
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2012年10月18日

Vol.122「未来ある中学生」

 食欲の秋、涼しくなりましたがいい季節ですね(^^)
昨日、上杉山中学校の1年生が6人、職場訪問ということで、当医院に見学に来ました。上杉山中学校は私自身が歯科の校医をしていることもあり、選択してくれたのかもしれません。

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事前に参加者一人ひとりの自己紹介文をいただいていましたが、多くの生徒さんが「将来医師になりたいです」と書いてありました。中学1年生ですでに目標を掲げていることはすばらしいことだと思います。さらに質問をまとめてきてくれたのですが、中学生がどんなことを聞きたいのか、興味深い内容でしたので、回答も含めてご紹介したいと思います。

1.医師になろうと思ったきっかけは何ですか?
小さい頃から医療には興味がありました。医師になろうと思ったのは病気や怪我で悩んでいる方を救うことができるからです。歯科を志したのは父が歯科医師であったからです。父の診療室に通ってきている患者さんをそのまま診ることで、患者さんが迷わずにすむと考えました。また、毎日「疲れた」と仕事を終える父を見て手伝いたいと思いました。町医者として地域医療に貢献することが目標でした。

2.歯科医になるためにはどのような資格が必要ですか?
    
  大学の歯学部もしくは歯科大学で6年間学び、大学を卒業、歯科医師国家試験に合格することが必要です。

3.資格を取るためにどのような努力をしましたか?

  大学の授業・実習をこなします。中学校の勉強同様、予習・復習が大切です。
 試験の対策としては過去の問題も参考にしました。国家試験の勉強は、何度も 同じ問題を解いて、間違えた問題に関しては必ず復習しました。

4.患者さんとの対面で気をつけていることはありますか?

  医療の本質は病気を治すことではなく、病気になった患者さんを健康に導くことだと思います。単に病気を治すことだけを考えず、なぜその病気にかかったか?その原因を探り再発予防の示唆をしてあげることを心がけています。また、スタッフとともに笑顔で接して「今日この医院に来てよかった」と、患者さんにも笑顔になってもらいたいと思っています。

5.この仕事ついて一番苦労したことは何ですか?
  どの仕事でも共通していると思いますが、「人間関係」だと思います。同じ職場で働く方、仕事上お付き合いする方、接する患者さん、すべてが対象です。

6.この仕事にやりがいを感じていることはどんな時ですか?

  患者さんの悩みを払拭して「おかげさまでよくなりました」と言われるときです。また同じ歯科医師の後輩に症例の相談を受けて、指導後に「うまくいきました」と報告を受けたときにも喜びを感じます。さらに当医院のスタッフの実力がついてきたことを確認できたときも最高にうれしいです。

7.これからの医療はどのように発展してくれると嬉しいですか?

  現代の医療では術者側の利益が出る方向への治療や形態の進歩が一部にあります。「すべては患者さんのために」という原則から医療が始まれば、おのずと良い方向へ行くことこそが大切です。また、医療は細分化の方向に流れていっています。一芸に秀でることも大切ですが、常に体全体から診断できる医療人を目指してほしいと願います。さらに、患者さんが医者や薬に頼りすぎることも問題です。われわれのすべきことは患者さんが健康になることのお手伝いであり、患者さん自身が病気を治すんだという意思を持たせるように導く医療が最適だと思います。古くからある伝統的な医療と新しい技術が良い意味で融合して、より患者さんのためになる医療が定着すればいいですね。

8.医師になるため中学生の私たちが今からできることはありますか?

「医師になる」という目標があるからこそ、その途中にある高校受験に力を注ぐことができると思います。今自分がしていることは何のためになるのか?を考えて行動することが大切です。友達や先生、先輩や後輩すべての人が患者さんになりえます。自分が苦手なタイプの人にも優しく振舞えるようになれば、立派な医療人になれると思います。また、自分が健康でなければ医療人になって実力を発揮することが難しくなります。そのためにもスポーツに力を注ぐことは望ましいと思います。

医療の世界はすばらしい分野です。皆さん目標に向かってがんばってください。
posted by 副院長 at 07:55| Comment(3) | TrackBack(0) | '12ニュースレター