2012年08月07日

Vol.119「かみ合わせの重要性」

 七夕も中日、昨日は雷もなりましたが、天気もなんとか持ち直したようですね! 

 5日の日曜日は北九州でご開業の下川公一先生のご講演を拝聴しました。3年前にも仙台でご講演いただき、大変感激したので、今回の講演も楽しみにしていました。

 前半は歯科医師としての理念のようなお話が多かったのですが、後半はかみ合わせに関する症例の提示のオンパレードでした。かみ合わせが変わり、スマイルラインが整ったおかげで、見違えるような笑顔になった患者さんを多数紹介してくださいました。

 その中でも印象的だった言葉は「医者は患者さんの命を救う 歯医者は患者さんの人生を救う」とのことです。もちろん 虫歯1本の治療ではなく、体に変調をき たすほどのかみあわせだった方、歯並びにかなりのコンプレックスを持っていた方という意味です。


 昨日来院されたIさんもかみ合わせに問題のあった患者さんで、3年前に矯正治療を終了した女性ですが、現在娘さんにも矯正治療を受けさせたいとのことでした。娘さんは極端に顎が後方に入り込んでいるため、体は気道が狭くなることを避けようとして頭を前に出す習慣がついてしまったのではと説明しました。Iさんは姿勢が悪いのは単なる習慣だと思っていたのですが、話を聞いて納得されていました。Iさん自身も「治療前は常に食いしばっていたし、そのせいか肩こりもひどかった。当時はウツ傾向もあったが、矯正治療後はすっかり解決した」とおっしゃっていました。


 矯正治療はほとんどの場合かみ合わせが変わります。ということは治療前よりもかみ合わせが悪くなる可能性もあるわけです。かみ合わせに問題があるとすれば、どの方向にどのくらいずれているのかを術前に精密に検査しておく必要があります。当医院ではCADIAXという機械を使いながら、レントゲン、顎の運動の診査を十分に行った後、しっかりとした診断をした後、治療計画を立て、患者さんに説明して納得をしていただいた上で治療に入るシステムになっています。その診査は治療途中でも行い、最適なゴールを目指して進みます。治療後の患者さんの素敵な笑顔を見るために… 
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2012年07月03日

Vol.118「日本臨床歯周病学会 新人衛生士教育研修会」

 7月になりやっと夏らしくなってきましたね。楽天イーグルスも若手の台頭で調子を上げてきました(^^)
 
 7月1日の日曜日、日本臨床歯周病学会東北支部主催で、新人衛生士教育研修会を行いました。江澤支部長を筆頭に高野先生、鈴木道治先生、私とともに衛生士の人見さん、佐藤さん、菅野さん、志田さん、佐瀬さん、府金さん、早川さんの11人体制で、12名の受講者の方と歯周治療についてともに学びました。1日は2回コースの1回目で、今回の試みも初めてでしたが、皆さんのご協力でとても順調に経過し、初日を終えることができました。


 歯科治療において歯科衛生士の業務はとても重要です。特に歯周病に対する治療は衛生士が主体といっても過言ではありません。今回の対象は卒後3年未満の若手衛生士でしたが、この大切な時期にきちんとした基礎を学ぶことは、今後の衛生士活動を充実させるためにも重要なことです。

 主催者側としても学会の看板をしょっての研修会ですので、基本から外れることなく、統一した用語を使って、より臨床的な内容になるようミーティングを重ねました。

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(6月7日の現場ミーティング)

 受講生の皆さんも日曜日を削って参加してきただけに、意識の高い方が多く、開始30分前にはほぼ全員がそろうといううれしい悲鳴があがる状態でしたので、開始時刻を繰り上げてスタートしたおかげで、心配していた午後の実習を余裕を持って行うことができました。

 午前中は講義を行いました。

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(講義をする人見先生)

 午後は講義と実習、歯周ポケットの記録を見ながら、2人1組で治療計画を立てるプログラムもありました。

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(講師の鈴木先生、インストラクターの菅野さん、佐瀬さん)

12名を2組に分けて交互に実習したのですが、1組は口の中の写真の撮影とポケットの測定の実習を行いました。

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(指導をする高野先生、佐藤先生)


普段は歯科医師任せだった部分も、自分たちで考える実習でしたので、面食らった受講生もいたことと思います。「衛生士も歯科医師と同じ知識を持つ」という目標から、具体例を見ながら真剣に考えていたようです。

 私たち主催者側としても準備、運営する中でいろいろな気づき、学びがありました。自分の病院だけうまくいけばいいと考えるのではなく、間接的にも社会に貢献できればと考え、よりよい歯周治療を学会発信で広めることができればと考えています。
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2012年06月11日

Vol.117「木下晴弘さんの講演を聴いて」

久々のニュースレターです。いろいろなことが重なって、なかなか時間が取れませんでした…。

さて、6月9、10日の2日間、日本顎咬合学会へ参加してきました。昨年は震災の影響もあって参加できませんでしたので、2年ぶりの参加でした。仙台の月一会という勉強会からも、たくさんの仲間たちがエントリーいたしました。

http://www.ago.ac/30th/

今回は衛生士の工藤、佐藤も参加したのですが、だいぶ刺激を受けたようです。

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日本顎咬合学会は、幅広い分野の勉強ができる学会ですが、2日目のセッションの中に、かねてから興味のあった木下晴弘さんの講演があったので、途中からですが拝聴いたしました。

http://www.abtr.co.jp/

本学会の南理事長が推薦したこともあり、期待して聞いていましたが、予想をはるかに上回るすばらしい講演内容でした。「人に与えたものは必ず自分に返ってくる」「与え続けること」「与えた相手から返ってくるとは限らない」「返ってくることを狙ってやると続かない」など、なるほどと納得させられる内容ばかりでした。

エンディングにDVDが流れたのですが、感動秘話で会場中すすり泣きが聞こえていました。涙腺がゆるい僕も、隣にいた工藤に気づかれないようにと必死でした(笑)
とてもすばらしい内容なので、ご紹介したいと思います。



ある女性の教師と子供の出会い

先生が小学五年生の担任になった時、
どうしても好きになれない児童がひとりいた。

その少年は、一人服装が不潔でだらしなかった。中間記録に先生は少年の悪いところばかりを記入するようになっていた。

あるとき、少年の一年生の記録が目にとまったのである。

一年生・・・朗らかで、友達が好きで、人にも親切。勉強も良く出来、将来が楽しみ。

間違いだ。
他のこの記録に違いない。
先生はそう思った。

二年生・・・母親が病気で世話をしなければならず、学校に遅刻する。

三年生(一学期)・・・母親の病気が悪くなり疲れていて教室で居眠りをする
三年生(三学期)・・・母親が死亡。希望を失い、悲しんでいる。

四年生・・・父は生きる意欲を失い、アルコール依存症となり、子供に暴力を振るう。

先生の胸に激しい痛みが走った。
ダメと決め付けていた子が突然、
悲しみを生き抜いている生身に人間として、自分の前に立ち現れてきたのだ。

放課後、先生は少年に声をかけた。

「先生は夕方まで教室で仕事をするから、
あなたも勉強していかない?分からないところは教えてあげるから」

少年は初めて笑顔をみせた。
それから毎日少年は教室の自分の机で
予習復習を熱心に続けた。

授業で少年が始めて手を挙げたとき、
先生に大きな喜びが沸き起こった。

少年は自信を持ち始めていた。
それはクリスマスの午後だった。

少年が小さな包みを先生の胸に押付けてきた。後で開けてみると、香水の瓶だった。亡くなったお母さんが使っていた物にちがいない。

先生はその一滴をつけ、夕暮れに少年の家を訪れた。

雑然とした部屋で独り本を読んでいた。

少年は、気がつくと飛んできて、
先生の胸に顔を埋めて叫んだ。

「ああ、お母さんの匂い!今日はなんて素敵なクリスマスなんだ。」
六年生で少年の担任ではなくなった。

卒業の時、先生に少年から一枚のカードが届いた。

「先生は僕のお母さんのようです。そして今まで出会った中で一番素晴らしい先生でした。」

それから六年、またカードが届いた。

「明日は高校の卒業式です。僕は五年生で 先生に担当してもらって、とても幸せでした。おかげで奨学金をもらって、医学部に進学することができます。」

十年経て、またカードがきた。

そこには先生に出会えた事への感謝と
父親に叩かれた経験があるから、患者の痛みが分かる医者になれると記され、こう締めくくられていた。

「僕はよく五年生のときの先生思い出します。あのまま駄目になってしまう僕を救ってくださった先生を神様のように感じます。医者になった僕にとって、最高の先生は五年生の時に担任して下さった先生です」

 そして一年。届いたカードは結婚式の招待状だった。

「母の席に座って下さい」と一行、書きそえられていた。




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2012年03月30日

Vol.116「iaaidに参加して」

 平成24年度もあと1日です。震災から1年が経過して、生活が落ち着きを取り戻したと思いますが、未だ元の生活に戻れない方、ご家族を亡くされた方にはお悔やみ申し上げます。


 今年度は震災の影響もあって、例年ほど学会や勉強会に積極的に参加しませんでしたが、3月24,25日横浜で行われた、iaaid(国際先進学際歯科学会アジア部会)に参加し、ポスター発表を行ってきました。

http://www.iaaid-asia.jp/

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 昨年の3月に行われる予定だった当学会ですが、震災により中止だったのですが、1年後の今回改めて開催されたのでした。太会長の武井先生、実行委員長の小林先生には大変お世話になりました。

 現在私がもっとも師事している吉見先生率いる水滸会のメンバーからも7名がポスター発表を行いました。私自身は他院で小学生のころに4本の抜歯を伴って矯正治療を受け、当医院に来院当時もとてもきれいに歯が並んでいた患者さんに対して、異常所見を見出し、精密な検査を行った後、再度矯正治療を行った症例を発表しました。一見歯がきれいに並んでいても、顎の関節と調和しているとは限りません。また、歯並びが悪いからといって、必ずしも顎の不調和があるわけでもないと思います。シークエンシャル・オクルージョンのコンセプトにのっとって、適切な診査をしっかり行うことで、その方の最適な状態を診断できるのです。今回発表した患者さんはご主人の仕事の都合で東京へ引っ越されたので、吉見歯科医院に継続して通院していらっしゃいますが、現在も良好な状態を継続しているそうです。


 今回の学会であるスタディーグループで知り合った、若手の優秀な先生と再会しました。とてもきれいな仕事をされる先生ですが、気合をいれて仕上げたセラミックのきれいな症例が壊れて戻ってきてしまうことを経験されて、噛み合わせを真剣に学ぶ必要があると思い、この場に来たとお話されていました。我々の仕事は1芸に秀でているだけではだめなのです。その意味でもiaaidは総合的な診断を学べるすばらしい環境であると確認しました。このコンセプトが広く浸透していくことを期待しています。
posted by 副院長 at 13:23| Comment(0) | TrackBack(0) | '12ニュースレター

2012年03月12日

Vol.115「あれから1年」

 東日本大震災から1年が経過しました。被災したすべての方にお悔やみ申し上げます。仙台の街中はGWくらいからすっかり息を吹き返したように記憶していますが、沿岸部はいまだ瓦礫の撤去もされていないところがありますし、避難生活をされている方、放射能の問題から非難されている方、皆さん大変な思いをされていることと思います。

 歯科医師として震災への関わったのは、宮城県歯科医師会身元確認班の江澤班長、柏崎副長の指導の下、ご遺体の検視のための歯の記録を採る作業を7回ほど行ったことでした。一緒に作業をしていて自衛隊の方、警察官の方の奮闘振りに本当に頭の下がる思いでした。

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(江澤先生の文書が載っています)

また、宮城県歯科医師会学術委員会全員が医療救護班として、全国から集まってきた支援物資を県内に配置させるために、仕分け作業を行っていました。学会や勉強会の仲間、また各歯科医師会の皆様、業者の方からたくさんの支援物資を送っていただきました。心から感謝申し上げます。委員長の木村先生はGWまで毎日歯科医師会館につめていたことを思いだします。

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(毎週行われた救護班の会議)

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(何度も応援にきてくださった北海道医療大学チームの皆様)

大学の同窓会宮城県支部では、会員の安否確認に始まり、被災状況の確認、義援金の分配を相談するなど、村上会長の指揮の下、電話やメールを駆使して会員一人ひとりと連絡を取り合ったことが思い出されます。

 僕自身にとっては検視の作業はGWまで、支援物資の仕分け作業は7月くらいまで、同窓会に関しては少しずつ収束して現在に至っているというところですが、身元確認班の江澤先生、柏崎先生などは今でも週のうち半分以上県警に行かれている現状です。多くの皆様のおかげで震災前の生活を取り戻すことができていますが、ご家族や友人を失った方、家や職場を津波で失ってしまった方の無念さは計り知れません。決して忘れることのできない震災ですが、決してあきらめることなく前を向いて歩んでいくことが、援助してくださったすべての方への恩返しになりますので、3.11を忘れることなく頑張っていきましょう!
posted by 副院長 at 09:12| Comment(0) | TrackBack(0) | '12ニュースレター

2012年01月21日

Vol.114「理想的な噛み合わせを求めて その2」

杉山歯科医院のホームページはエントラストさんにお願いして作成、管理していただいています。

 http://b-entrust.com/

 エントラストのスタッフの方は皆さん若いのですが、とても気さくないい人ばかりです(^^) エントラストさんのおかげで、HPを見て噛みあわせの相談に来る患者さんがとても多くなりました。

 当医院に来る前にも何軒か歯医者で診てもらっている方が多いのですが、虫歯や歯周病と違って診断が難しいうえに先生によって診断がまちまちで、患者さん自身が戸惑うことが多いようです。私自身は7年前からシークエンシャルオクルージョンという概念に出会ってから、ぱっと目の前が開けるようになりました。点と点がすべて線に結びついた、そんなイメージでした。そして現在はその線がうまくクロスして、患者さんへの応用が幅広くなったように思います。
 
 昨年末に始めて来院した30歳代の女性の患者さんは「右の顎が痛い、目も耳もおかしくなってきた」という主訴で来院されました。丁寧な印象を受ける方でしたが、表情はどこか暗く、悩んでいるように見受けられました。さまざまな診査を行った結果、噛みあわせが低いことがわかり、精密なデータ採取から設定したマウスピースを昨日装着しました。

 その方の右の顎は口をあけるたびにカクカク音がして、痛みもあったのですが、マウスピースを入れて口を開いてもらったところ、音はまったくしなくなり、暗かった患者さんの顔がぱっと明るくなりました。

 当医院ではマウスピースを入れて治療に生かすことが比較的多いと思いますが、アキシオグラフという機器を導入してから、治療の適応症が格段に広がり、精度も比べ物にならないほどに上がりました。

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 噛みあわせの問題は他人にはなかなかわからないものです。私だって自分自身が経験をしたことがあるわけではないですから…でも多くの場合、診断と治療ができるようになったといえると思っています。歯科の治療は削る、つめる、歯を抜く、入れ歯を入れるだけでなく、とても奥の深いすばらしい分野だと感じています。
posted by 副院長 at 07:26| Comment(1) | TrackBack(0) | '12ニュースレター

2012年01月20日

Vol.113「理想的な噛み合わせを求めて」

 新年になり20日も経過してしまいましたが、あらためまして新年明けましておめでとうございます。

 皆さんは今年の目標として、どんなことを掲げたでしょうか?
 
 私自身は仕事上の目標としては「噛みあわせの治療を極める」ことです。この目標は5,6年前から変わっていないのですが、目標にしているだけあって、精度は格段にあがってきていると感じています。それは当医院のスタッフを見ていて感じるからです。

 当医院では歯周治療は衛生士が担当性になっているので、定期健診で患者さんが来院しても、その患者さんの口の中や健康状態をよく把握している衛生士が常に診るシステムになっています。衛生士のクリーニングが終わって、私が患者さんに挨拶に行くと、衛生士から気づいた点を教えてもらうことがあります。そのコメントというか洞察力がとても鋭いのです。歯科医師同士の勉強会で具体的な写真などを見ても、気づかないような点まで本当によく見ています。

患者さん:「歯と歯の間に虫歯ができた→衛生士:「フロスで磨いてくださいね」
患者さん:「歯がしみる」→衛生士:「知覚過敏の薬を塗りますね」

 よくある患者さんとの会話だと思います。もちろん当医院でもフロスの指導もいたしますし、知覚過敏の薬も塗ります。しかし双方ともその治療は対症療法であり、原因へのアプローチにはなっていません。スタッフはそれをわかっているので、原因へのアプローチを考えます。そこに大きく関与しているのが「噛みあわせ」なのです。我々は「咬合(こうごう)」と呼んでいますが、噛みあわせというと、一般的には顎関節症を思い浮かべる方が多いように思いますが、虫歯にも歯周病にも咬合は大きく関与しています。以前ご紹介しましたが、歯軋りとも深い関係があります。

 スタッフのレベルが高くなることは、そのまま医院のレベルが上がることにつながります。来院してくださった患者さんに対して、正確な診断と的確な治療、そして愛情を持って接していきたいと思っています。

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posted by 副院長 at 22:22| Comment(1) | TrackBack(0) | '12ニュースレター

2011年11月25日

vol.112「多くの仲間たち」

 すっかり寒くなりましてね…鍋料理が恋しい季節です(^^)


 10月は学会などで週末家にいる週がなかったのですが、今回は震災関係での学会などの活動について報告いたします。

 10月29,30日の2日間、広島で日本臨床歯周病学会第29回年次大会が開催されました。本来であれば今年の7月に仙台でおこなわれるはずだった学術大会ですが、震災の影響で開催は困難と判断して、仙台での開催を断念したところでした。くしくも広島で中国・四国支部設立記念大会があり、年次大会も同時開催をすることで、発表予定だった会員の皆さんの苦労を無駄にせずにすみました。

http://www.jacp.net/jacp_web/index.html
(日本臨床歯周病学会のホームページ)

 日本臨床歯周病学会では、震災後早くから連絡のやり取りがあり、多くの会員の先生が援助してくれました。避難所への支援物資を多数送ってくれた先生、直接避難所へ出向いて医療活動を行った先生…義援金も早々に集めてくださり、沿岸の津波をかぶった先生方に配布することができました。

 その後も第2弾の義援金をいただきましたし、広島での年次大会では義援金目的のチャリティーグッズ販売までしていただき、感謝×2ですm(_ _)m

 私自身HPのスタッフ紹介を見ていただければわかりますが、ほかにもたくさんの学会に所属していますが、これほど愛に満ちた学会はありませんでした。
 またスタディーグループとして、SJCDの皆さんからも、被害のひどかった先生方へ多くの義援金をいただきました。関東の「てんとう虫」というスタディーグループにも多くの義援金をいただきました。ありがたいことです。

http://www.sjcd.info/
(SJCDのホームページ)


 我々歯科医師は、みな一国一城の主であり、会社に属しているわけでもないのですが、学会や勉強会を通じてお互いの知識や技術を交換したり学んだりしながら、地域医療に貢献しているのですが、年に数回しかあわない会員のためにこんなにも多くの仲間が力になってくれた事実はうれしい限りです。このようなあたたかい輪がどんどん広がり、世界が平和になれば本当にうれしいことですね♪
posted by 副院長 at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | '11ニュースレター

2011年10月27日

Vol.111「アメとガムは虫歯の敵」

 落ち葉の多い季節になって来ました。寒くなってきましたが、食べ物が美味しい季節ですね(^^)

 さて、今までにも虫歯対策の話を何度も取り上げていますが、一番の原因は「間食」だと強調してきました。医院で行っている虫歯対策の講演でも、「アメ」と「ガム」はやめるよう指導しています。特に「え〜キシリトール入りのガムなら大丈夫なんでしょ?」と聞かれることが多いのですが、市販されているガムのほとんどは虫歯になると思っていいと思います。

 そもそも「キシリトール」は代用糖の中でも歯が解けるためのphまで下がらないため、虫歯を作ることはないとされています。日本でキシリトールが解禁になった10年ほど前は、われわれも大いに期待しておりました。

 しかし、現実にはキシリトール100%の商品はなく、私の知る限り含有量が65%くらいのものが最高で、残りは砂糖を使用しているものがほとんどです。キシリトール100%のガムは、おそらく歯科医院でしか販売していないオーラルケアの商品だけだと思います。

 キシリトール100%の商品が一般に流通していない理由はコストが高くなるからです。メーカーとしては「キシリトール」を含んでいる、商品が売れやすくするために砂糖を入れて安く売る、結果商品は売れて、消費者が虫歯になるという図式です。

 先日来院した患者さんは、血圧を下げる薬を服用しているため、唾液の分泌が抑えられて口の中が乾くため、毎日キシリトールのガムをかみ続けていた結果、一番虫歯のできにくいはずの下の前歯にたくさんの虫歯を作ってしまいました。

 67歳までほぼ健全だった歯が、たった3年で虫歯ができにくいはずの下の前歯にたくさんできてしまったのです…「キシリトール」入りのガムだから、歯にもいいと思ってせっせと噛んでいたそうです。ガムを噛むまではほとんど問題のなかったのに…


 アメにいたっては本当に問題です…。アメを舐めた後に唾液を出させることをしたとしても、phがなかなか戻らないため、虫歯を量産してしまいます。しかも広範囲に虫歯を作ってしまうので、手をつけられません。のどが痛いから、口がさびしいから、甘い物を舐めていたいから、たくさんもらったからなどなど、アメの恐ろしいことはそれが習慣化してしまうこと、虫歯にとってアメがそんなに悪いものだと皆さんが知らないことにあります。

 はっきり言います。虫歯にとって最悪なのは「アメ」を舐める習慣です。悪しき習慣は口の中を破壊します。今すぐにやめましょう。
posted by 副院長 at 13:28| Comment(0) | TrackBack(0) | '11ニュースレター

2011年08月19日

Vol.110「東日本大震災・その3」

 東日本大震災から5ヶ月が経過しました。

 皆さんの生活は元に戻ったでしょうか?

 前回のニュースレターで震災後にストレスが原因で歯が折れた方が多かったことをお知らせしましたが、最近定期検診にいらっしゃるお子さんに虫歯が多発していることを感じます。理由は明白で、震災後食料がままならなかったとき、お菓子類をたくさん食べていたこと、満足に歯を磨くことができなかったことです。お子さんの治療についてきてくださるお母さまも、やむを得なかったことを話してくれました。現在では食生活も元に戻り、原因自体は解決しているようですが、虫歯の治療はしっかりとする必要があります。

 虫歯に比べると、メインテナンスで通院されている成人の方の中で、震災後極端に歯周病が悪化している方は少ないように思います。患者さん自体は震災後満足にブラッシングできなかったとおっしゃっていますが、震災前のデータと比較しても、虫歯ほど顕著な差は見られなかったように思います。虫歯の方が食生活などの変化によって、短期間に発生してしまう疾患で、歯周病はある程度長期間の影響を受ける疾患であるのかもしれませんね…。

 Oさんという患者さんのご紹介で、10名ほどのグループの中で「虫歯」と「歯周病」はなぜ起こるのか?どうすれば予防できるのかというお話を2回に分けて行ったのですが、皆さん本当に真剣にお話を聞いてくださり、健康観の高さを感じることができた2日間でした。話しの内容は毎月当医院で行っている患者さん向けの講習会と同じですが、当日お会いした方のお口の中は私自身が直接見たことがあるわけではないので、一般的な話しになってしまうのですが、それでも見える範囲内での特徴から、その方のお口の中を想像し、予想される問題点を挙げてみました。参加者は若い女性が多かったので、審美的な欲求が高いと思うのですが、その中の一人にとても歯は綺麗なのに、歯ぐきが真っ黒の方がいらっしゃったのです。原因は喫煙です。煙草の害は今さらといった感じですが、美的な面からもそのデメリットを指摘して、講演終了後に「煙草やめませんか?」と何度も言ってしまいました(笑)

 食生活も煙草も習慣です。良い習慣を身につけ、より健康になることは誰しもが思うことではないでしょうか?こんな私も煙草をやめて18年になりますが、約12年間喫煙者でした…

喫煙の習慣は歯にヤニを付けるばかりか、歯ぐきの着色の原因にもなります。
まずはヤニを綺麗にしたケースをご紹介します。

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(いわゆるヤニのこびりついた歯)

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(専用のパウダーでヤニを飛ばした後)

続いて専用のお薬を塗布して歯ぐきを綺麗にしたケース紹介します。
治療時間はほんの2分です。

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(術前の歯ぐき)

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(治療後1週間の歯ぐき)

歯も歯ぐきも綺麗な方がいいですよね♪
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2011年08月02日

Vol.109「歯ぎしりの役割」

なでしこジャパンの大活躍、お見事でした!本当に素晴らしかったですね〜(^^)

そして佐々木監督のあの笑顔、とても素敵でしたね〜 佐々木監督が書いた「なでしこ力(ぢから)」早速読んじゃいました。


 さて、大震災からの復興が日に日に感じられてきていますが、避難所に診察に行った歯科医師の方から興味深い話しを伺いました。というのも、思いのほか歯が折れてしまった方が多いというのです。歯が折れるということが日常よりも多く見受けられるということは、それだけストレスが多いことを意味します。われわれ人間はストレスをため込まないように、”歯ぎしり”を行っているそうです。しかし、その歯ぎしりもし過ぎれば問題を起こします。というのも、起きているときのくいしばりの力よりも、寝ているときのくいしばりの力は3倍くらいになっているそうです。しかも起きているときは瞬間的にくいしばることはあっても、数秒間持続することはほとんどないですが、寝ている間のくいしばりは数10秒間継続すると言われています。


 年齢の割に明らかに歯のすり減りが見られる方や、かみ合わせによって異常な歯ぎしりをしていると思われる方に、“歯ぎしり”のことをお話しすると、「私はしていないですよ」とおっしゃるのですが、現実にはほとんどの方が行っているそうです。というか、歯ぎしりのような行為は人間が生きていくうえで、とても大切な行為だそうです。それを証明するツールとして「ブラックスチェッカー」というものがあります。歯ぎしりをした部分だけ、専用の塗料がはげていしまうので、どの部分でどういった方向で歯ぎしりをしているかがわかります。

040628ブラックスチェッカー・杉山豊.jpg

(これは私の歯ぎしりの状態です)

下にその診断方法のサイトをご紹介します。

http://www.kdcnet.ac.jp/college/occmed/pdf/atlasBruxChecker.pdf

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(前歯は穴があくほどの強い歯ぎしりをしていたことを示します。この方は若い女性で決して力が強そうには見えない方です)→クリックで大きな画面となります

 朝起きた時に肩が凝っている方、顎がこわばっている感じがする方、一度このブラックスチェッカーで調べてみるといいと思います。歯ぎしりはゼロにすることが目的ではなく、適切な力で行うことが目的です。適度な力で歯ぎしりをして、ストレスを発散するってことですね♪
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2011年05月17日

Vol.108「東日本大震災・その2」

 震災2日目の日曜日、電気と水道が復旧したので、周りを見る余裕が出てきました。ケータイで連絡のつかない2人のスタッフのところへ水を持って出かけて行ったのですが、結局2人とは会えず、月曜日からの診療ができる体制にと、診療室の再点検をしていました。また、歯科医師会としての活動がないものかと、宮城県歯科医師会館を訪ねてみましたが、外壁が崩れ落ち、4階5階は床までがせりあがる状態で、大変なことになっていました。歯科医師会の職員は安否確認の電話などで大忙しの状態でした。また、身元確認のための検視作業の人手が足りないとのことで、急遽エントリーしてきました。

 震災3日目の月曜日、スタッフの無事な姿を確認し、診療を再スタート致しました。と言っても、患者さんも大変な状態でしたので、来院された方は少なく、診療も早めに切り上げました。

 震災4日目の火曜日、初めての検視をするためにグランディ21に行ってきました。日本臨床歯周病学会東北支部で一緒に活動している江澤先生、齋藤先生、柏崎先生からノウハウを教わり、東北大学歯学部の応援隊の先生方とともに、100人近くの方の歯型を記録してきました。お顔もあまりにも綺麗な状態で、本当にお亡くなりになったのかと疑うばかりでした。

 御遺体は自衛隊の方が中心になって運んできているようですが、遺体安置所に到着してからは、警察の方々が作業を進めます。御遺体の顔写真、全身の写真を撮影し、次に着衣を脱がせ、全身を丁寧に清拭していきます。身長を測り、損傷がないか、手術痕がないかなどを細かく記録していきます。手の指の指紋の採取、その後ドクターによる死因の確定、そして歯科医師の歯型の記録という流れで、検視が行われていきます。我々歯科医師は御遺体のお口の中だけの診査ですが、御遺体を運んだり、水を吸って重くなった着衣を脱がせ、全身を綺麗に清拭する、最後は綺麗に棺桶にお入れしている警察官の姿は本当に頭が下がる思いでした。検視に携わる関係者は1体1体にお悔やみの気持ちを込めて合掌いたします。帰る場所が見つかればいいなと切に願いながら…本来こういったことをブログに載せるべきか迷うところですが、こういった警察官の立派な姿を是非ご紹介したいと思い、
お伝えいたしました。
posted by 副院長 at 14:13| Comment(4) | TrackBack(0) | '11ニュースレター